ミニチュア・ダックスフンドの炎症性結直腸ポリープの細胞学的特徴と多核巨細胞の診断的意義

ミニチュア・ダックスフンド(M. ダックス)の炎症性結直腸ポリープ(ICRP)の細胞学的診断に有用な指標を確立するために,M. ダックスの ICRP16例(ICRP群)と,正常な腸,炎症性腸疾患及び腫瘍性疾患の計53例(non-ICRP群)のスタンプ標本を細胞学的に評価した.ICRP群の組織標本では粘液塊,骨化生及び多核巨細胞が存在し,12例(75.0%)の細胞診標本にも多核巨細胞がみられ,non-ICRP群の1例(1.9%)と比較し有意に多く(P<0.05),ICRPの組織診断に対する細胞診での多核巨細胞の検出の感度及び特異度,陽性的中率及び陰性的中率はそれぞれ,75.0%,98.2%,92...

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 67; no. 3; pp. 193 - 198
Main Authors 米丸, 加余子, 酒井, 洋樹, 栁井, 徳磨, 井上, 紗季
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 20.03.2014
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ISSN0446-6454
2186-0211
DOI10.12935/jvma.67.193

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Summary:ミニチュア・ダックスフンド(M. ダックス)の炎症性結直腸ポリープ(ICRP)の細胞学的診断に有用な指標を確立するために,M. ダックスの ICRP16例(ICRP群)と,正常な腸,炎症性腸疾患及び腫瘍性疾患の計53例(non-ICRP群)のスタンプ標本を細胞学的に評価した.ICRP群の組織標本では粘液塊,骨化生及び多核巨細胞が存在し,12例(75.0%)の細胞診標本にも多核巨細胞がみられ,non-ICRP群の1例(1.9%)と比較し有意に多く(P<0.05),ICRPの組織診断に対する細胞診での多核巨細胞の検出の感度及び特異度,陽性的中率及び陰性的中率はそれぞれ,75.0%,98.2%,92.3%及び93.2%であった.以上より,M. ダックスのICRPの細胞学的診断には多核巨細胞の検出が有用であることが示唆された.
Bibliography:ZZ00014801
871594
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.67.193