食品中の密蒙花色素の分析方法

近年,密蒙花色素が開発され,中国において食用天然色素の1つとして認可された.日本においては現在,密蒙花色素の使用は認められていないが,その色素成分はクロセチン誘導体であるため,クチナシ又はサフランで着色されたものと誤認され,流通する可能性がある.そこで,密蒙花色素を判別する方法の開発に取り組んだ.密蒙花色素を分析した結果,acteosideとpoliumosideという phenylpropanoid glycoside を含有することが明らかとなった.同成分を指標成分としてモデル食品を作成し,その抽出液をフォトダイオードアレイ検出LC/MSで分析したところ,密蒙花色素で着色したモデル食品から...

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Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 42; no. 2; pp. 84 - 90
Main Authors 青木, 宏光, 久世, 典子, 市, 隆人, 香田, 隆俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 2001
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Summary:近年,密蒙花色素が開発され,中国において食用天然色素の1つとして認可された.日本においては現在,密蒙花色素の使用は認められていないが,その色素成分はクロセチン誘導体であるため,クチナシ又はサフランで着色されたものと誤認され,流通する可能性がある.そこで,密蒙花色素を判別する方法の開発に取り組んだ.密蒙花色素を分析した結果,acteosideとpoliumosideという phenylpropanoid glycoside を含有することが明らかとなった.同成分を指標成分としてモデル食品を作成し,その抽出液をフォトダイオードアレイ検出LC/MSで分析したところ,密蒙花色素で着色したモデル食品からのみ指標成分が検出された.Phenylpropanoid glycoside が通常の食品素材から見いだされたという報告はないため,同成分を指標成分とする密蒙花色素の分析法を開発できた.
Bibliography:ZZ00009680
630603
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.42.84