山形県内と畜場搬入豚のEscherichia albertii 保菌状況及びその疫学的特徴

食中毒原因菌Escherichia albertii の豚での保菌状況と分離株の特徴を明らかにするため,2017年及び2018年に山形県内のと畜場搬入豚の保菌調査を行った.525検体の盲腸便を調査し,17検体(3.2%)から37株を分離した.このうち,20分離株(54.1%)がテトラサイクリン等の何らかの抗菌薬に耐性を示した.また,パルスフィールド・ゲル電気泳動(PFGE)法では,37分離株は6グループに分類された.各グループを代表する6菌株は,ゲノムワイド系統解析により既知の5つの系統群の中のG1群及びG3群(2亜系統群)に分類された.当該3群は,いずれも人由来株を含んだ.本研究により,山形...

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 73; no. 5; pp. 265 - 273
Main Authors 佐藤, 空見子, 永井, 章子, 小原, 準, 遠藤, 千春, 林, 哲也, 大岡, 唯祐, 瀬戸, 順次, 村上, 光一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 20.06.2020
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Summary:食中毒原因菌Escherichia albertii の豚での保菌状況と分離株の特徴を明らかにするため,2017年及び2018年に山形県内のと畜場搬入豚の保菌調査を行った.525検体の盲腸便を調査し,17検体(3.2%)から37株を分離した.このうち,20分離株(54.1%)がテトラサイクリン等の何らかの抗菌薬に耐性を示した.また,パルスフィールド・ゲル電気泳動(PFGE)法では,37分離株は6グループに分類された.各グループを代表する6菌株は,ゲノムワイド系統解析により既知の5つの系統群の中のG1群及びG3群(2亜系統群)に分類された.当該3群は,いずれも人由来株を含んだ.本研究により,山形県と近隣県の豚は多様なPFGE型を示すE. albertii を保菌することが判明し,豚の生産物が本菌の人への感染源となり得ることが示唆された.
Bibliography:ZZ00014801
935047
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.73.265