渋ガキのアルコール脱渋に伴う黒変防止に関する研究

渋ガキの主要品種である‘平核無’について, エタノール脱渋過程において発生する果皮の黒変を抑制する目的で吸水ポリマーシートを用いて本試験を行った. 1. 吸収能が高い吸水ポリマーシートBに38%(v/v) エタノール水溶液を吸着させることによって, 慣行法であるスプレー区より著しく黒変果発生率及び黒変程度を抑制することができた. しかし, 最上段において発生を抑制することはできなかった. 2. 吸収能が劣る吸水ポリマーシートAを用いて吸着させた場合及び吸水ポリマーシートBを用いてスプレーした場合, 黒変発生は抑制されなかった. 3. 密閉度の高い段ボール箱を用いた場合, 吸水ポリマーシートBは...

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Published inEngei Gakkai zasshi Vol. 53; no. 3; pp. 290 - 297
Main Authors 川島, 和夫, 神久, 也寸志, 形部, 健一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 園芸学会 1984
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Summary:渋ガキの主要品種である‘平核無’について, エタノール脱渋過程において発生する果皮の黒変を抑制する目的で吸水ポリマーシートを用いて本試験を行った. 1. 吸収能が高い吸水ポリマーシートBに38%(v/v) エタノール水溶液を吸着させることによって, 慣行法であるスプレー区より著しく黒変果発生率及び黒変程度を抑制することができた. しかし, 最上段において発生を抑制することはできなかった. 2. 吸収能が劣る吸水ポリマーシートAを用いて吸着させた場合及び吸水ポリマーシートBを用いてスプレーした場合, 黒変発生は抑制されなかった. 3. 密閉度の高い段ボール箱を用いた場合, 吸水ポリマーシートBは黒変の発生を抑制できなかった. 4. 吸水ポリマーシートBにエタノール水溶液を吸着させた場合, 慣行法であるスプレー区と比べて脱渋がやや遅れた. 5. 高吸収能を有する吸水ポリマーシートBによる黒変果防止効果は, エタノール水溶液が果皮部に直接触れる替わりに, 適当な濃度のエタノールガスが作用したこと及び系内の過湿状態を回避できたことによるものと考えられる.
Bibliography:303012
ZZ00015006
ISSN:0013-7626
1880-358X
DOI:10.2503/jjshs.53.290