密飼いが肥育豚の増体や免疫機能及び唾液中ストレスマーカー濃度に与える影響

密飼いが豚の増体や免疫機能に及ぼす影響について調査した.肥育豚20頭(平均体重52.3kg,99~106日齢)を用い,広さ5.24m2の豚房に14頭(0.37m2/頭)で編成した区を過密区,6頭で編成した区(0.87m2/頭)を対照区として14日間飼養した.1日平均増体量は,密飼いストレス負荷0~7日後並びに7~14日後の間いずれにおいても,過密区が対照区より有意に低かった.免疫機能評価において,過密区では14日後にCD4/CD8比が有意に低く,コンカナバリンA刺激時のリンパ球の増殖性やCD8及びCD14陽性細胞率が有意に高かった.唾液中コルチゾールやインターロイキン18及びイムノグロブリンA...

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 68; no. 1; pp. 43 - 47
Main Authors 藤田, 慶一郎, 菊, 佳男, 高橋, 孝志, 野口, 宗彦, 溝呂木, 聖子, 矢ヶ部, 陽子, 宗田, 吉広
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 01.01.2015
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Summary:密飼いが豚の増体や免疫機能に及ぼす影響について調査した.肥育豚20頭(平均体重52.3kg,99~106日齢)を用い,広さ5.24m2の豚房に14頭(0.37m2/頭)で編成した区を過密区,6頭で編成した区(0.87m2/頭)を対照区として14日間飼養した.1日平均増体量は,密飼いストレス負荷0~7日後並びに7~14日後の間いずれにおいても,過密区が対照区より有意に低かった.免疫機能評価において,過密区では14日後にCD4/CD8比が有意に低く,コンカナバリンA刺激時のリンパ球の増殖性やCD8及びCD14陽性細胞率が有意に高かった.唾液中コルチゾールやインターロイキン18及びイムノグロブリンA濃度は,有意な差がなかった.以上から,密飼いストレスは,豚の生産性を低下させ,免疫機能を変調させる可能性が示唆されたが,ストレスマーカーとの関連についてはさらなる検討が必要である.
Bibliography:ZZ00014801
890702
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.68.43