小型犬における腹部造影CT の撮像プロトコールの検討
小型犬のCTにおける造影剤の体内動態について49頭の犬を対象とし,造影剤投与量,投与時間,留置針径における条件別に5群に振り分けて検討した.動脈では,平均輝度上昇開始時間(Tup)はすべての群において12秒前後でみられたが,最大輝度到達時間(Tpeak)とその時のハンスフィールド値(HU)は,群によって異なった.後大静脈におけるTupは20秒前後に現れ,Tpeakは33~39秒に集中していた.門脈のTupは22秒前後に現れ,Tpeakは40~45秒に集中していた.後大静脈と門脈の最大輝度のHUは投与量に依存していた.本研究におけるデータは体重や心拍数と相関しなかった.今回の研究のプロトコールを...
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Published in | Nippon Juishikai zasshi Vol. 64; no. 5; pp. 385 - 389 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本獣医師会
20.05.2011
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Summary: | 小型犬のCTにおける造影剤の体内動態について49頭の犬を対象とし,造影剤投与量,投与時間,留置針径における条件別に5群に振り分けて検討した.動脈では,平均輝度上昇開始時間(Tup)はすべての群において12秒前後でみられたが,最大輝度到達時間(Tpeak)とその時のハンスフィールド値(HU)は,群によって異なった.後大静脈におけるTupは20秒前後に現れ,Tpeakは33~39秒に集中していた.門脈のTupは22秒前後に現れ,Tpeakは40~45秒に集中していた.後大静脈と門脈の最大輝度のHUは投与量に依存していた.本研究におけるデータは体重や心拍数と相関しなかった.今回の研究のプロトコールを使用することによって,小型犬の造影CTの増強効果を客観的に評価できることが示唆された. |
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Bibliography: | ZZ00014801 811655 |
ISSN: | 0446-6454 2186-0211 |
DOI: | 10.12935/jvma.64.385 |