Lawsonia intracellularisによると考えられる豚の肉芽腫性小腸炎及び腸間膜リンパ節炎

Lawsonia intracellularis(LI)による豚の肉芽腫性腸炎には,豚サーコウイルス2型(PCV2)の関与が示唆されてきた.今回,肉眼的に小腸炎が認められた肥育豚(6カ月齢)23頭の小腸及び腸間膜リンパ節を病理組織学的に検索した.上皮過形成及び杯細胞減数を主たる特徴とする増殖性腸炎(PPE)と同様の組織病変と,さらに固有層及びパイエル板における肉芽腫性炎が,空腸から回腸にかけて観察された.PPE様病変は小腸上部に顕著である一方,肉芽腫性病変は小腸下部で優位であった.さらに,小腸上部の上皮細胞内にはしばしば鍍銀陽性桿菌が観察された.肉芽腫性炎は腸間膜リンパ節でも観察された.PCR...

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 68; no. 1; pp. 73 - 76
Main Authors 星野, 稔, 福島, 恵美子, 大村, 和代, 阿部, 博美, 星野, 勇矢
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 01.01.2015
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Summary:Lawsonia intracellularis(LI)による豚の肉芽腫性腸炎には,豚サーコウイルス2型(PCV2)の関与が示唆されてきた.今回,肉眼的に小腸炎が認められた肥育豚(6カ月齢)23頭の小腸及び腸間膜リンパ節を病理組織学的に検索した.上皮過形成及び杯細胞減数を主たる特徴とする増殖性腸炎(PPE)と同様の組織病変と,さらに固有層及びパイエル板における肉芽腫性炎が,空腸から回腸にかけて観察された.PPE様病変は小腸上部に顕著である一方,肉芽腫性病変は小腸下部で優位であった.さらに,小腸上部の上皮細胞内にはしばしば鍍銀陽性桿菌が観察された.肉芽腫性炎は腸間膜リンパ節でも観察された.PCR検索では23検体中21検体の腸管で,また,リンパ節では9検体に,LIの存在が示された.しかしながら,PCV2は免疫染色ではいずれの検体でも検出されなかった.今回の小腸炎はLIを原因とすることが示唆されたが,肉芽腫性病変おけるPCV2の関与は証明されなかった.
Bibliography:ZZ00014801
890708
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.68.73