ラット胎仔動脈管におよぼすサイロキシンの影響

ラット胎仔の動脈管に対するサイロキシン(T4)投与の影響を検討した. 胎齢20日の胎仔に母体子宮壁を通して1あるいは10μgのT4を皮下注射し, 3時間または6時間後に胎仔を採出した. また, 胎齢20日の胎仔に10μgのT4を注射しその直後に10mg/kgのハイドロコルチゾン(Hyd)を母体に注射し, 3時間後に胎仔を採出した. いずれも同腹の無処置胎仔をそれぞれ対照とした. 動脈管の内径は全身凍結法および切削法を用いて動脈管を露出させ計測した. T4 (1, 10μg)の投与3時間後の動脈管の内径は, 同腹の無処置胎仔と比較して有意に収縮していた. しかし, 投与6時間後には回復していた....

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Published inJournal of Veterinary Medical Science Vol. 55; no. 3; pp. 379 - 381
Main Authors 有嶋, 和義, 江口, 保暢, 白井, 明志, 宗宮, 弘明, 山本, 雅子, 滝沢, 達也
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 公益社団法人 日本獣医学会 1993
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ISSN0916-7250
1347-7439
DOI10.1292/jvms.55.379

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Summary:ラット胎仔の動脈管に対するサイロキシン(T4)投与の影響を検討した. 胎齢20日の胎仔に母体子宮壁を通して1あるいは10μgのT4を皮下注射し, 3時間または6時間後に胎仔を採出した. また, 胎齢20日の胎仔に10μgのT4を注射しその直後に10mg/kgのハイドロコルチゾン(Hyd)を母体に注射し, 3時間後に胎仔を採出した. いずれも同腹の無処置胎仔をそれぞれ対照とした. 動脈管の内径は全身凍結法および切削法を用いて動脈管を露出させ計測した. T4 (1, 10μg)の投与3時間後の動脈管の内径は, 同腹の無処置胎仔と比較して有意に収縮していた. しかし, 投与6時間後には回復していた. T4とHydを併用投与後の動脈管の内径はさらに著しく収縮していた. これらの結果は, T4はラット胎仔動脈管に対して収縮作用をおよぼし, その作用はHydとの併用投与によりさらに増強されることを示す.
Bibliography:492205
ZZ00004754
ISSN:0916-7250
1347-7439
DOI:10.1292/jvms.55.379