Theileria sergentiおよびT. bufferliのピロプラズム表在性主要抗原の大腸菌での発現とその免疫学的解析

T. sergentiおよびT. buffeliのピロプラズムより調整したmRNAを鋳型として, それぞれのλgtll cDNAライブラリーを作製した. 各ライブラリーからT. sergentiの表在性主要抗原(分子量33kDa)を発現する1クローン(TSI 5)およびT. buffeliの同抗原(分子量34 kDa)を発現する2クローン(TBW 17, 62)をイムノスクリーニングにより選択し溶原菌を作製した. ウエスタンブロットにおいてT. sergenti免疫家兎血清はTSI 5の発現する融合蛋白質とのみ強く反応し, またT. buffeli免疫家兎血清はTBW 17及び62の発現する融...

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Published inJournal of Veterinary Medical Science Vol. 54; no. 2; pp. 305 - 311
Main Authors 河津, 信一郎, 杉本, 千尋, 神尾, 次彦, 藤崎, 幸蔵
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 公益社団法人 日本獣医学会 1992
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Summary:T. sergentiおよびT. buffeliのピロプラズムより調整したmRNAを鋳型として, それぞれのλgtll cDNAライブラリーを作製した. 各ライブラリーからT. sergentiの表在性主要抗原(分子量33kDa)を発現する1クローン(TSI 5)およびT. buffeliの同抗原(分子量34 kDa)を発現する2クローン(TBW 17, 62)をイムノスクリーニングにより選択し溶原菌を作製した. ウエスタンブロットにおいてT. sergenti免疫家兎血清はTSI 5の発現する融合蛋白質とのみ強く反応し, またT. buffeli免疫家兎血清はTBW 17及び62の発現する融合蛋白質とのみ強く反応した. 一方, 各原虫感染牛血清はすべての融合蛋白質と同様に反応し, またT. sergentiの分子量33 kDa抗原を認識するモノクローナル抗体もこれらすべての融合蛋白質と反応した. 以上の成績から, クローンTSI 5およびTBW 17, 62はともに, 感染牛血清によって認識される共通のエピトープと免疫家兎血清によって識別される種特異的なエピトープの両者を含む原虫主要抗原分子を発現していることが推測された. これらの組換え体から調整したDNAプローブは両原虫のゲノムDNAとの間で種特異的な反応性を示し, 株同定などの研究に応用できるものと思われた.
Bibliography:472978
ZZ00004754
ISSN:0916-7250
1347-7439
DOI:10.1292/jvms.54.305