脱水マウスの軟膜微小循環における亢進した血栓形成性に対するアセチルサリチル酸の影響

マウスを1日, 2日および3日間絶水し, その影響を血液パラメーターと光化学的に誘発した血栓について検討した. 脱水は血中尿素窒素, 血清総蛋白およびコレステロール値で確認した. 軟膜細動脈における血小板の凝集開始時間および塞栓形成は対照マウスに比べ脱水マウスでは有意に短縮しており, 脳血管血栓になりやすい状態であることが予測された. そこで脱水マウスにアセチルサリチル酸(ASA)10 mg/kg (i.p.)を投与して血栓形成傾向を緩和するかどうか検索した. マウスはASA投与前および光化学凝集処置前に24時間絶水した. ASA投与により脱水マウスにおける血小板の凝集開始までの時間ならびに血...

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Published inJournal of Veterinary Medical Science Vol. 56; no. 2; pp. 245 - 248
Main Authors Tanira, M.O.M, El Sabban, F.F, Fahim, M.A
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 公益社団法人 日本獣医学会 1994
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Summary:マウスを1日, 2日および3日間絶水し, その影響を血液パラメーターと光化学的に誘発した血栓について検討した. 脱水は血中尿素窒素, 血清総蛋白およびコレステロール値で確認した. 軟膜細動脈における血小板の凝集開始時間および塞栓形成は対照マウスに比べ脱水マウスでは有意に短縮しており, 脳血管血栓になりやすい状態であることが予測された. そこで脱水マウスにアセチルサリチル酸(ASA)10 mg/kg (i.p.)を投与して血栓形成傾向を緩和するかどうか検索した. マウスはASA投与前および光化学凝集処置前に24時間絶水した. ASA投与により脱水マウスにおける血小板の凝集開始までの時間ならびに血管の閉塞までの時間が有意に延長した. このことからASAには予防的効果があるものと考えられた.
Bibliography:500212
ZZ00004754
ISSN:0916-7250
1347-7439
DOI:10.1292/jvms.56.245