ヨーネ病不顕性感染牛の診断におけるELISA及び補体結合テストの有用性の比較

ヨーネ病不顕性感染牛の血清学的診断法としてのELISAの実用性を, 現行診断法の補体結合テスト(CFT)との比較で評価した. ELISAでは, Mycobacterium phleiとカオリンで前吸収処理した牛血清について, ヨーネ菌のプロトプラズマ抗原に対する抗体価を測定した. ELISA抗体価はELISA抗体指数(EAI):EAI=(At-An)/(Ap-An)で表現した. 但し, At, Ap, Anは, それぞれ200倍希釈被検血清, 400倍希釈陽性対照血清, 200倍希釈陰性対照血清の吸光度値である. ELISA抗体価はEAIの0.6を陽性限界値とした. 糞便培養によりヨーネ菌の感...

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Published inJournal of Veterinary Medical Science Vol. 53; no. 4; pp. 577 - 584
Main Authors 木嶋, 眞人, 森, 康行, 横溝, 祐一, 西森, 敬
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 公益社団法人 日本獣医学会 1991
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ISSN0916-7250
1347-7439
DOI10.1292/jvms.53.577

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Summary:ヨーネ病不顕性感染牛の血清学的診断法としてのELISAの実用性を, 現行診断法の補体結合テスト(CFT)との比較で評価した. ELISAでは, Mycobacterium phleiとカオリンで前吸収処理した牛血清について, ヨーネ菌のプロトプラズマ抗原に対する抗体価を測定した. ELISA抗体価はELISA抗体指数(EAI):EAI=(At-An)/(Ap-An)で表現した. 但し, At, Ap, Anは, それぞれ200倍希釈被検血清, 400倍希釈陽性対照血清, 200倍希釈陰性対照血清の吸光度値である. ELISA抗体価はEAIの0.6を陽性限界値とした. 糞便培養によりヨーネ菌の感染が確認された156頭の牛血清のうち, ELISAでは106検体(67.9%)が, CFTでは41検体(26.3%)が, それぞれ陽性を示した. ヨーネ病の発生歴のない牛群由来の3,880頭の血清のうち, ELISAでは, 3,875検体(99.9%)が, またCFTでは3,787検体(97.6%)が, それぞれ陰性であった. ELISA抗体価は実験感染牛においてはCFTよりも1~5ヵ月早期に, また自然感染牛では7~10ヵ月早期に陽性となった. 以上の成績は, ELISAがCFTにかわる牛ヨーネ病の実用診断法となりうることを示している.
Bibliography:472456
ZZ00004754
ISSN:0916-7250
1347-7439
DOI:10.1292/jvms.53.577