猫の胸部X線検査における実測値による左心房拡大の評価

胸部X線検査における左心房拡大の評価には,一般に椎体長により標準化された変数が用いられている。本研究では,89頭の健常猫および101頭の心疾患猫の胸部X線検査において,左心房拡大を診断する際に心サイズの実測値を標準化する必要性があるかどうか検証した。心臓短軸径,心臓長軸径,心臓径(HS)および椎骨心臓径(VHS)は,左心房拡大の進行とともに有意に増加した。HSは心エコー図検査における左心房面積との相関性がより高く,感度(85.7%)は同等であったものの,特異度(90.3%)はVHSと比較して高い値を示した。カットオフ値を9.8cmに設定することで,HSは左心房拡大を予測するための有用なX線検査...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inDōbutsu no junkanki Vol. 57; no. 1; pp. 1 - 12
Main Authors 才田, 祐人, 北野, 寿, 矢田, 乃路子, 矢田, 新平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本獣医循環器学会 2024
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0910-6537
1883-5260
DOI10.11276/jsvc.57.1

Cover

More Information
Summary:胸部X線検査における左心房拡大の評価には,一般に椎体長により標準化された変数が用いられている。本研究では,89頭の健常猫および101頭の心疾患猫の胸部X線検査において,左心房拡大を診断する際に心サイズの実測値を標準化する必要性があるかどうか検証した。心臓短軸径,心臓長軸径,心臓径(HS)および椎骨心臓径(VHS)は,左心房拡大の進行とともに有意に増加した。HSは心エコー図検査における左心房面積との相関性がより高く,感度(85.7%)は同等であったものの,特異度(90.3%)はVHSと比較して高い値を示した。カットオフ値を9.8cmに設定することで,HSは左心房拡大を予測するための有用なX線検査指標になりうるものと考えられた。
Bibliography:951550
ZZ00011639
ISSN:0910-6537
1883-5260
DOI:10.11276/jsvc.57.1