パイナップル由来酵素処理によるオレンジアレルゲンCit s 2濃度の減少
オレンジは,健康に有益な栄養成分を含む一方で,アレルギーの発症原因となるアレルゲンも含んでいる.オレンジアレルギーの発症を予防するためには,アレルゲンの摂取リスクを抑えることが重要である.そこで本研究では,果物ミックスジュースにおいて,オレンジとの組合せで嗜好性のよいパイナップルに含まれるタンパク質分解酵素ブロメラインの利用に着目した.パイナップル由来酵素を利用して,オレンジの主要アレルゲンであるCit s 2の濃度減少が可能かどうか,Cit s 2定量ELISAにより評価を行った.生鮮オレンジ果汁に対して生鮮パイナップル果汁を添加したところ,Cit s 2濃度は反応の時間や温度に依存して減少...
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Published in | Shokuhin eiseigaku zasshi Vol. 61; no. 1; pp. 17 - 21 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
公益社団法人 日本食品衛生学会
25.02.2020
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Subjects | |
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ISSN | 0015-6426 1882-1006 |
DOI | 10.3358/shokueishi.61.17 |
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Summary: | オレンジは,健康に有益な栄養成分を含む一方で,アレルギーの発症原因となるアレルゲンも含んでいる.オレンジアレルギーの発症を予防するためには,アレルゲンの摂取リスクを抑えることが重要である.そこで本研究では,果物ミックスジュースにおいて,オレンジとの組合せで嗜好性のよいパイナップルに含まれるタンパク質分解酵素ブロメラインの利用に着目した.パイナップル由来酵素を利用して,オレンジの主要アレルゲンであるCit s 2の濃度減少が可能かどうか,Cit s 2定量ELISAにより評価を行った.生鮮オレンジ果汁に対して生鮮パイナップル果汁を添加したところ,Cit s 2濃度は反応の時間や温度に依存して減少する傾向が見られた.特に,オレンジ果汁に対し1/40量のパイナップル果汁を添加して37℃30分間処理した場合,Cit s 2濃度が15%未満(定量下限値未満)に減少した.今後,慎重な臨床的検証が必要であるものの,オレンジアレルゲン低含有量の果物ミックスジュースの調理・製造方法として,本研究の応用が期待される. |
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Bibliography: | 931955 ZZ00009680 |
ISSN: | 0015-6426 1882-1006 |
DOI: | 10.3358/shokueishi.61.17 |