馬の喉囊真菌症85例の治療成績

1991年から2006年の16年間に喉囊真菌症と診断したサラブレッド85頭について,治療方法別に予後を比較した. 初発症状は,鼻出血が73頭,嚥下障害などの神経麻痺が11頭,膿性鼻漏が1頭であった. 治癒率は無治療群で38.5% (5/13)であったのに対し,内視鏡による局所治療,抗真菌剤の全身投与,輸血などの内科治療を行った群では53.8% (7/13),内頸あるいは外頸動脈の結紮手術を行った群では66.7%(6/9),内頸動脈結紮にあわせてバルーンカテーテルによる塞栓術を行った群では100.0%(4/4),内頸動脈結紮とマイクロコイル塞栓術を併用した群では84.8% (39/46)であった...

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 62; no. 1; pp. 39 - 43
Main Authors 樋口, 徹, 秦, 秀明, 井上, 哲, 佐藤, 正人, 扇谷, 学, 七尾, 祐樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 01.01.2009
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Summary:1991年から2006年の16年間に喉囊真菌症と診断したサラブレッド85頭について,治療方法別に予後を比較した. 初発症状は,鼻出血が73頭,嚥下障害などの神経麻痺が11頭,膿性鼻漏が1頭であった. 治癒率は無治療群で38.5% (5/13)であったのに対し,内視鏡による局所治療,抗真菌剤の全身投与,輸血などの内科治療を行った群では53.8% (7/13),内頸あるいは外頸動脈の結紮手術を行った群では66.7%(6/9),内頸動脈結紮にあわせてバルーンカテーテルによる塞栓術を行った群では100.0%(4/4),内頸動脈結紮とマイクロコイル塞栓術を併用した群では84.8% (39/46)であった. 鼻出血を起こした症例では,内頸あるいは外頸動脈の結紮が必要であり,逆流による出血を防ぐ方法としてマイクロコイル塞栓術は実用的かつ効果的な手技であることが示唆された.
Bibliography:ZZ00014801
772457
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.62.39