水稲の種子貯蔵タンパク質変異系統におけるタンパク質組成およびその集積過程に及ぼす施肥法の影響

低グルテリン, 26kDaグロブリン欠失等, 水稲の種子貯蔵タンパク質において種々の特性をもつ品種・系統を異なる施肥条件下で栽培し, 種子タンパク質組成の相対量, 総タンパク質量およびタンパク質組成の相対量の出穂後の集積過程に及ぼす施肥方法の影響を検討した. タンパク質組成の相対量に対して施肥条件の違いが影響を与えることは少なく, 施肥条件が変わっても相対量はほぼ一定であることが示された. これに対し, タンパク質組成の相対量の出穂後の集積過程を調べたところ, 多肥条件(基肥8, 追肥4 kg/10a)ではグルテリンの相対量の集積がやや抑制される傾向が示唆されたが, 概して施肥条件によってタン...

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Published inJapanese journal of crop science Vol. 76; no. 4; pp. 562 - 568
Main Authors 西村, 実, 宮原, 研三, 森田, 竜平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本作物学会 2007
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Summary:低グルテリン, 26kDaグロブリン欠失等, 水稲の種子貯蔵タンパク質において種々の特性をもつ品種・系統を異なる施肥条件下で栽培し, 種子タンパク質組成の相対量, 総タンパク質量およびタンパク質組成の相対量の出穂後の集積過程に及ぼす施肥方法の影響を検討した. タンパク質組成の相対量に対して施肥条件の違いが影響を与えることは少なく, 施肥条件が変わっても相対量はほぼ一定であることが示された. これに対し, タンパク質組成の相対量の出穂後の集積過程を調べたところ, 多肥条件(基肥8, 追肥4 kg/10a)ではグルテリンの相対量の集積がやや抑制される傾向が示唆されたが, 概して施肥条件によってタンパク質成分の集積様式に対する影響は少ないと考えられた. 一方, 総タンパク質含有率では追肥の効果が特に大きく, 品種間差や元肥の効果は年次によっては有意とならない場合もあった.
Bibliography:750512
ZZ00014890
ISSN:0011-1848
1349-0990
DOI:10.1626/jcs.76.562