Aspergillus pulverulentus YM-80の産生するβ-グルコシダーゼの精製と諸性質およびその応用

食品加工に適した,基質特異性の広いβ-グルコシダーゼを産生する菌として,土壌からAspergillus pulverulentus YM-80を分離した.本菌株の産生するβ-グルコシダーゼを,固体培養後の抽出粗酵素液の硫安塩析,DEAE-Toyopearl 650M,Butyl-Toyopearl 650MおよびSephacryl S-200クロマトグラフィーにより,精製収率15%で電気泳動的に単一にまで精製した.精製酵素は比活性308 U/mgタンパク質であり,等電点は4.5であった.SDS-PAGEによる分子量測定では118,000,ゲルろ過では240,000であった.最適pHは4.0,最...

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Published inJournal of Applied Glycoscience Vol. 51; no. 3; pp. 211 - 216
Main Authors 間瀬, 民生, 森, 茂治, 横江, 正明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本応用糖質科学会 2004
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Summary:食品加工に適した,基質特異性の広いβ-グルコシダーゼを産生する菌として,土壌からAspergillus pulverulentus YM-80を分離した.本菌株の産生するβ-グルコシダーゼを,固体培養後の抽出粗酵素液の硫安塩析,DEAE-Toyopearl 650M,Butyl-Toyopearl 650MおよびSephacryl S-200クロマトグラフィーにより,精製収率15%で電気泳動的に単一にまで精製した.精製酵素は比活性308 U/mgタンパク質であり,等電点は4.5であった.SDS-PAGEによる分子量測定では118,000,ゲルろ過では240,000であった.最適pHは4.0,最適温度は60°C,pH3.0-7.0で安定であり,pH 4.0では50°Cまで安定であった.本酵素の活性はSDSやHg2+により強く阻害された.本酵素はセロビオースやゲンチオビオース,ソホロース等のβ結合を持つオリゴ糖に広い特異性を示したが,マルトースなどのα結合型には作用しなかった(Table 3).本酵素は豆腐加工において,大豆イソフラボンのグルコシド配糖体のアグリコン化に有用であったが,アセチル化やマロニル化されたグルコシド配糖体のアグリコン化はほとんど認められなかった.
Bibliography:700829
ZZ20010553
ISSN:1344-7882
1880-7291
DOI:10.5458/jag.51.211