タイプAトリコテセン生産菌のTri13によってコードされるシトクロムP450モノオキシゲナーゼはタイプBトリコテセンの生合成経路でも機能する:組換えFusarium graminearumによる3- アセチルニバレノールの生産

Tri13はタイプAおよびタイプB生産菌においてそれぞれのトリコテセン経路中間体のC-4位の水酸化を担うシトクロムP450モノオキシゲナーゼをコードする.本研究では,Fusarium sporotrichioidesのTri13(FsTri13)がタイプBトリコテセンの生合成経路でも機能する証拠を示す.FsTri13を 3- アセチルデオキシニバレノール(3-ADON)を生産するFusarium graminearumに導入し発現させたところ,新規代謝物 3-アセチルニバレノール(3-ANIV)が培養液から検出された.3-ANIVは組換えトリコテセン3-O- アセチルトランスフェラーゼ(TRI...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inMaikotokishin Vol. 62; no. 2; pp. 83 - 90
Main Authors 安藤, 直子, 前田, 一行, 吉田, 稔, 木村, 真, 市川, 雛代, 東海, 武史, 米山, 勝美, 小倉, 信夫
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 日本マイコトキシン学会 2012
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0285-1466
1881-0128
DOI10.2520/myco.62.83

Cover

More Information
Summary:Tri13はタイプAおよびタイプB生産菌においてそれぞれのトリコテセン経路中間体のC-4位の水酸化を担うシトクロムP450モノオキシゲナーゼをコードする.本研究では,Fusarium sporotrichioidesのTri13(FsTri13)がタイプBトリコテセンの生合成経路でも機能する証拠を示す.FsTri13を 3- アセチルデオキシニバレノール(3-ADON)を生産するFusarium graminearumに導入し発現させたところ,新規代謝物 3-アセチルニバレノール(3-ANIV)が培養液から検出された.3-ANIVは組換えトリコテセン3-O- アセチルトランスフェラーゼ(TRI101)を用いてニバレノール(NIV)を特異的にアセチル化することで簡単に調製できるが,Fusarium菌株そのものを用いて3-ANIVを生産できることを示した報告はこれまでなかった.遺伝子改変を施したこの3-ADON生産菌の3-ANIV生合成経路について,側鎖O- アセチルの脱アセチル化に関わるTri8遺伝子の機能と関連づけて議論する.
Bibliography:ZZ20003608
833669
ISSN:0285-1466
1881-0128
DOI:10.2520/myco.62.83