排卵および生体内卵子吸引(ovum pick up, OPU)前後における牛血中インヒビンおよびFSH濃度推移

排卵と生体内卵子吸引(ovum pick up, OPU)時のインヒビンの変動を測定し、またインヒビンの変動に伴う血中FSH濃度変動を測定することにより、OPU時のホルモンと卵巣反応についての正確な知見を得ることを目的として、PGF2a製剤投与によって発情を誘起したウシ血中インヒビン濃度変化と、OPUを実施した牛における血中インヒビンおよびFSH濃度の経時的変化を時間分解蛍光免疫測定法によって測定した。排卵によるインヒビン濃度変化は観察できなかったが、OPUによる有意なインヒビン濃度減少とFSH濃度増加が見られた。一つの卵胞が消滅する排卵よりも、多くの卵胞を吸引するOPUの方がより多くインヒビ...

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Published inJapanese Journal of Veterinary Clinics Vol. 29; no. 2; pp. 53 - 57
Main Authors 桃沢, 健二, 菊池, 元宏, 三浦, 弘, 長谷川, 喜久, 福田, 芳詔, 大浪, 洋二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本家畜臨床学会 ・ 大動物臨床研究会 31.10.2006
日本家畜臨床学会
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ISSN1346-8464
1883-4604
DOI10.4190/jjvc2001.29.53

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Summary:排卵と生体内卵子吸引(ovum pick up, OPU)時のインヒビンの変動を測定し、またインヒビンの変動に伴う血中FSH濃度変動を測定することにより、OPU時のホルモンと卵巣反応についての正確な知見を得ることを目的として、PGF2a製剤投与によって発情を誘起したウシ血中インヒビン濃度変化と、OPUを実施した牛における血中インヒビンおよびFSH濃度の経時的変化を時間分解蛍光免疫測定法によって測定した。排卵によるインヒビン濃度変化は観察できなかったが、OPUによる有意なインヒビン濃度減少とFSH濃度増加が見られた。一つの卵胞が消滅する排卵よりも、多くの卵胞を吸引するOPUの方がより多くインヒビンを減少させたため、インヒビンの血中濃度が複数の卵胞によって制御されていることが考えられる。また、インヒビン減少にともなう血中FSH濃度上昇により、次の卵胞発育およびOPU結果に影響を与える可能性が示唆された。
Bibliography:ZZ20020638
732525
ISSN:1346-8464
1883-4604
DOI:10.4190/jjvc2001.29.53