アムールチョウザメ Acipenser schrenckii の多型ビテロジェニン遺伝子のcDNAクローニング

Estradiol-17β処理したアムールチョウザメの肝臓から卵黄蛋白前駆物質であるビテロジェニン(Vtg)の cDNA クローニングを行った。得られた3種の cDNA は一時的に vtg1,vtg2 および vtg3 と名付けた。vtg1,vtg2 および vtg3(各々5,307,5,247,5,319 bp)は,それぞれアミノ酸1,769,1,749 および 1,773 aa からなる完全長の翻訳領域を含んでいた。演繹アミノ酸配列間の相同性は64.3%から47.9%の間であり,3種の Vtgs は全ての卵黄蛋白質ドメインを持つ完全型 Vtg であった。系統樹解析において,アムールチョウザ...

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Published inSuisan Zoshoku Vol. 64; no. 1; pp. 63 - 76
Main Authors 前林, 衛, 稲岡, 雄平, 吉田, 達哉, 萩原, 聖士, 西宮, 攻, 莚平, 裕次, 足立, 伸次, 原, 彰彦, 東藤, 孝, 平松, 尚志
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本水産増殖学会 01.03.2016
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Summary:Estradiol-17β処理したアムールチョウザメの肝臓から卵黄蛋白前駆物質であるビテロジェニン(Vtg)の cDNA クローニングを行った。得られた3種の cDNA は一時的に vtg1,vtg2 および vtg3 と名付けた。vtg1,vtg2 および vtg3(各々5,307,5,247,5,319 bp)は,それぞれアミノ酸1,769,1,749 および 1,773 aa からなる完全長の翻訳領域を含んでいた。演繹アミノ酸配列間の相同性は64.3%から47.9%の間であり,3種の Vtgs は全ての卵黄蛋白質ドメインを持つ完全型 Vtg であった。系統樹解析において,アムールチョウザメ Vtg1 は既知のシロチョウザメ Vtg と同じクレードを形成したが,Vtg2 および Vtg3 とは異なるクレードを形成した。アムールチョウザメ Vtg は3種とも VtgAB タイプに分類され,vtg1/Vtg1,vtg2/Vtg2 および vtg3/Vtg3 は,それぞれ vtgAB1/VtgAB1,vtgAB2a/VtgAB2a および vtgAB2b/VtgAB2b と名付けられた。本研究は,チョウザメ類の Vtg の多型性を理解する基礎を提供し,将来的にそれらを生殖関連バイオマーカーとして利用する第一歩となった。
Bibliography:ZZ00008678
901905
ISSN:0371-4217
2185-0194
DOI:10.11233/aquaculturesci.64.63