食肉検査センター搬入子牛における地方病性甲状腺腫

食肉検査センターに搬入された北海道十勝地方の子牛101頭 (ホルスタイン種99頭, 黒毛和種2頭) について, 甲状腺重量, 組織学的検査および血清甲状腺ホルモン濃度の測定を行った. 甲状腺重量では, 15g以下が43例 (42.6%), 15~30gが46例 (45.5%) であり, 30g以上の腫大例は12例 (11.9%) にみられた. また, 30g以上例のうち4例は組織学的にも実質性甲状腺腫像を示し, かっ血清サイロキシン (T4) 値の軽度な減少とトリヨードサイロニン (T3) 値の有意 (p<0.05) な増加によるT4/T3の有意 (p<0.01) な低下が認められ...

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 44; no. 11; pp. 1098 - 1101
Main Authors 納, 敏, 森永, 康裕, 一条, 茂, 更科, 孝夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 01.11.1991
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Summary:食肉検査センターに搬入された北海道十勝地方の子牛101頭 (ホルスタイン種99頭, 黒毛和種2頭) について, 甲状腺重量, 組織学的検査および血清甲状腺ホルモン濃度の測定を行った. 甲状腺重量では, 15g以下が43例 (42.6%), 15~30gが46例 (45.5%) であり, 30g以上の腫大例は12例 (11.9%) にみられた. また, 30g以上例のうち4例は組織学的にも実質性甲状腺腫像を示し, かっ血清サイロキシン (T4) 値の軽度な減少とトリヨードサイロニン (T3) 値の有意 (p<0.05) な増加によるT4/T3の有意 (p<0.01) な低下が認められた. 以上の成績から, 一見健康と思われた供試子牛の多数例にヨード欠乏に起因した甲状腺腫が認められたので, 十勝地方は地方病性甲状腺腫の発生地域であると判断された.
Bibliography:ZZ00014801
441533
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma1951.44.1098