安定な凍結白ソースの製造

(1) 調理直後のモデルソース中の小麦粉のりは,細い糸状物からなる多孔性に富んだ網目構造を形成していたが,凍結により糸状物の大部分は消失し,部分的に小さな粒状物が鎖状に凝集した構造に変化した。 (2) 凍結によりゲル状物を形成したソースは,200kg/cmcm2以上の圧力で均質処理することにより,ざらつきの感じられないものになった。 (3) 凍結または冷蔵保存した対照品は経日的にみかけ粘度が上昇し,やがてゲル形成したのに対し,均質処理品は経日的に若干粘度変化したがゲルの形成は見られなかった。 (4) 均質処理品へのしょ糖脂肪酸エステルとアルギン酸ナトリウムの添加は,離水防止と粘度調整のために必...

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Published inNippon Shokuhin Kōgyō Gakkaishi Vol. 28; no. 11; pp. 569 - 577
Main Authors 菊池, 栄一, 井筒, 雅
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本食品科学工学会 01.11.1981
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Summary:(1) 調理直後のモデルソース中の小麦粉のりは,細い糸状物からなる多孔性に富んだ網目構造を形成していたが,凍結により糸状物の大部分は消失し,部分的に小さな粒状物が鎖状に凝集した構造に変化した。 (2) 凍結によりゲル状物を形成したソースは,200kg/cmcm2以上の圧力で均質処理することにより,ざらつきの感じられないものになった。 (3) 凍結または冷蔵保存した対照品は経日的にみかけ粘度が上昇し,やがてゲル形成したのに対し,均質処理品は経日的に若干粘度変化したがゲルの形成は見られなかった。 (4) 均質処理品へのしょ糖脂肪酸エステルとアルギン酸ナトリウムの添加は,離水防止と粘度調整のために必要であった。 (5) 均質処理品のテクスチャーはなめらかで,白ソースとして高い嗜好性をもつものであった。
Bibliography:ZZ20000202
240247
ISSN:0029-0394
DOI:10.3136/nskkk1962.28.11_569