犬の炎症性乳癌の挙動および予後に関する調査

病理組織学的検査の依頼を受けた犬の乳腺腫瘍症例の中で, 臨床徴候, 病理組織学的検査所見より炎症性乳癌と診断した113例について, 犬種, 病変の時間的経過, 治療方法, 治療効果, 予後に関してアンケート形式による追跡調査を各動物診療施設に実施し, 結果を集計・分析した.回答が得られたのは63例で, 発生犬種は, 雑種, シェットランド・シープドッグ, トイ・プードル, シー・ズーの順に多く認められた.発生年齢は10歳以上での発生が76.2%を占めており, 最後乳腺から発生する例が多く認められた.治療方法は, 病変部分の切除を施した外科的治療例が数多く認められ, 内科的治療では, 抗生物質と...

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 54; no. 10; pp. 779 - 783
Main Authors 阪口, 貴彦, 白地, 友子, 中野, 康弘, 大前, 省吾, 小澤, 信一, 南, 毅生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 01.10.2001
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Summary:病理組織学的検査の依頼を受けた犬の乳腺腫瘍症例の中で, 臨床徴候, 病理組織学的検査所見より炎症性乳癌と診断した113例について, 犬種, 病変の時間的経過, 治療方法, 治療効果, 予後に関してアンケート形式による追跡調査を各動物診療施設に実施し, 結果を集計・分析した.回答が得られたのは63例で, 発生犬種は, 雑種, シェットランド・シープドッグ, トイ・プードル, シー・ズーの順に多く認められた.発生年齢は10歳以上での発生が76.2%を占めており, 最後乳腺から発生する例が多く認められた.治療方法は, 病変部分の切除を施した外科的治療例が数多く認められ, 内科的治療では, 抗生物質と副腎皮質ホルモンの投与が一般的であった.肺転移は22例中21例 (95.5%) に, 初診から1週間以上3カ月以内の期間で認められ, 63例中46例 (73.0%) が初診から3カ月以内に死亡していた.
Bibliography:640315
ZZ00014801
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma1951.54.779