新茶の香気特性とその保全について

新茶の香気特性とその保全方法を明らかにするため,1番茶期の上級煎茶の貯蔵中の香気成分の変化をガスクロマトグラフィーGC-MS法および官能検査などで調べ,次の結果を得た。 (1) 新茶に多く含まれ貯蔵中に減少する香気成分として,n-ノニルアルデヒドとシス-3-ヘキセニルヘキサノエートを同定し,官能検査の結果からシス-3-ヘキセニルヘキサノエートが新茶の香気に少し寄与しているように推定された。 (2) 新茶はプロピオンアルデヒド,1-ペンテン-3-オール,シス-2-ペンテン-1-オール,2,4-ヘプタジエナールおよび3,5-オクタジエン-2-オンなどは検出されないか,あるいはごくわずかしか存在しな...

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Published inNippon Shokuhin Kōgyō Gakkaishi Vol. 26; no. 9; pp. 391 - 395
Main Authors 原, 利男, 久保田, 悦郎
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本食品科学工学会 01.09.1979
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Summary:新茶の香気特性とその保全方法を明らかにするため,1番茶期の上級煎茶の貯蔵中の香気成分の変化をガスクロマトグラフィーGC-MS法および官能検査などで調べ,次の結果を得た。 (1) 新茶に多く含まれ貯蔵中に減少する香気成分として,n-ノニルアルデヒドとシス-3-ヘキセニルヘキサノエートを同定し,官能検査の結果からシス-3-ヘキセニルヘキサノエートが新茶の香気に少し寄与しているように推定された。 (2) 新茶はプロピオンアルデヒド,1-ペンテン-3-オール,シス-2-ペンテン-1-オール,2,4-ヘプタジエナールおよび3,5-オクタジエン-2-オンなどは検出されないか,あるいはごくわずかしか存在しなかった。これらの成分は貯蔵中に生成するオフ・フレーバー成分と推定された。 (3) 新茶の香気保全には超低温(-70℃)貯蔵の効果が著しかった。
Bibliography:ZZ20000202
194524
ISSN:0029-0394
DOI:10.3136/nskkk1962.26.9_391