森林のイメージ形成に与える個人背景と既成イメージの影響

個人の過去の体験・環境・知識といった背景は, 概念化された既成イメージを作り上げ, この既成イメージが新たな環境における知覚とイメージ形成に影響を与えていると考えられる。実験参加者の概念化された森林イメージを, その描画より3つに分類し, アンケート結果より得られた個人背景と組み合わせることでグループごとの特徴を捉えた。その後, 実際に森林を散策した際のイメージ形成構造を, 写真撮影と描画により抽出したところ,(1) 都市の自然に囲まれてきたグループは, 少ない対象を個別に知覚し,(2) 幼少期に森林に親しんだグループは, 多くの対象を結び付けて対象場として知覚し,(3) 最近でも自然に親しん...

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Published inRandosukēpu kenkyū Vol. 65; no. 5; pp. 685 - 688
Main Authors 小野, 良平, 下村, 彰男, 上田, 裕文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本造園学会 30.03.2002
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ISSN1340-8984
1348-4559
DOI10.5632/jila.65.685

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Summary:個人の過去の体験・環境・知識といった背景は, 概念化された既成イメージを作り上げ, この既成イメージが新たな環境における知覚とイメージ形成に影響を与えていると考えられる。実験参加者の概念化された森林イメージを, その描画より3つに分類し, アンケート結果より得られた個人背景と組み合わせることでグループごとの特徴を捉えた。その後, 実際に森林を散策した際のイメージ形成構造を, 写真撮影と描画により抽出したところ,(1) 都市の自然に囲まれてきたグループは, 少ない対象を個別に知覚し,(2) 幼少期に森林に親しんだグループは, 多くの対象を結び付けて対象場として知覚し,(3) 最近でも自然に親しんでいるグループは, 主体と結び付けた視点場として知覚していることが明らかになった。
Bibliography:650524
ZZ00011687
ISSN:1340-8984
1348-4559
DOI:10.5632/jila.65.685