宮崎県におけるサツマイモ基腐病の発生状況と第一次伝染源の解明 並びに発病抑制を目的とした採苗方法の検討
宮崎県内で発生したサツマイモの立枯れおよび塊根腐敗症状について主因の調査を行った。罹病株からの病原菌の分離を行った結果,サツマイモ基腐病菌,乾腐病菌,つる割病菌を含む Fusarium 属菌,茎根腐細菌病菌等の複数が認められた。特に2018年に同県内で初確認された基腐病は約4割の検査圃場から分離された。基腐病の第一次伝染源について検討したところ,感染苗の発病が最も早く,発病株率も高かったことから,感染苗に起因するリスクが最も高いと考えられた。次いで罹病残渣混和土壌における発病株率が高かった。残渣を除いた汚染土壌における発病時期は遅く,発病株率も低かった。罹病種イモから採苗した場合であっても,発...
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Published in | Kyūshū Byōgaichu Kenkyūkaiho Vol. 66; pp. 12 - 17 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
九州病害虫研究会
28.11.2020
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Subjects | |
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ISSN | 0385-6410 1884-0035 |
DOI | 10.4241/kyubyochu.66.12 |
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Summary: | 宮崎県内で発生したサツマイモの立枯れおよび塊根腐敗症状について主因の調査を行った。罹病株からの病原菌の分離を行った結果,サツマイモ基腐病菌,乾腐病菌,つる割病菌を含む Fusarium 属菌,茎根腐細菌病菌等の複数が認められた。特に2018年に同県内で初確認された基腐病は約4割の検査圃場から分離された。基腐病の第一次伝染源について検討したところ,感染苗の発病が最も早く,発病株率も高かったことから,感染苗に起因するリスクが最も高いと考えられた。次いで罹病残渣混和土壌における発病株率が高かった。残渣を除いた汚染土壌における発病時期は遅く,発病株率も低かった。罹病種イモから採苗した場合であっても,発病部位から5cm 離して切断することにより,定植後の発病株率は低下した。さらにベノミル水和剤による苗消毒と併用した場合には,発病は処理127日後まで認められず,高い防除効果が得られた |
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Bibliography: | ZZ00014779 936454 |
ISSN: | 0385-6410 1884-0035 |
DOI: | 10.4241/kyubyochu.66.12 |