大麦焼酎粕加工液によるトマト青枯病抑制効果の検討
土壌伝染性細菌病害の防除を目的とした大麦焼酎粕加工液の利用可能性を明らかにするために,青枯病菌を用いて検討した。本加工液を青枯病菌汚染土壌に施用することにより,顕著な発病抑制効果は認められないものの,発病度が低く推移する傾向が認められた。さらに,本加工液を生物的防除資材であるPseudomonas protegens CHA0と併用したところ,CHA0の生物的防除効果を阻害せず,相加的な防除効果が得られた。変性剤濃度勾配ゲル電気泳動解析の結果,大麦焼酎粕加工液の施用は土壌細菌相の変化を引き起こすことが明らかとなった。さらに,本加工液を処理したトマトにおいて,PR-1(p6 ),PR-2b,PR...
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Published in | Kyūshū Byōgaichu Kenkyūkaiho Vol. 64; pp. 26 - 32 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
九州病害虫研究会
28.11.2018
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ISSN | 0385-6410 1884-0035 |
DOI | 10.4241/kyubyochu.64.26 |
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Summary: | 土壌伝染性細菌病害の防除を目的とした大麦焼酎粕加工液の利用可能性を明らかにするために,青枯病菌を用いて検討した。本加工液を青枯病菌汚染土壌に施用することにより,顕著な発病抑制効果は認められないものの,発病度が低く推移する傾向が認められた。さらに,本加工液を生物的防除資材であるPseudomonas protegens CHA0と併用したところ,CHA0の生物的防除効果を阻害せず,相加的な防除効果が得られた。変性剤濃度勾配ゲル電気泳動解析の結果,大麦焼酎粕加工液の施用は土壌細菌相の変化を引き起こすことが明らかとなった。さらに,本加工液を処理したトマトにおいて,PR-1(p6 ),PR-2b,PR-6 およびERF4 等の抵抗性関連遺伝子群の発現が誘導されることが明らかとなった。大麦焼酎粕加工液の有するこれら特性が青枯病抑制効果に寄与していることが推察された。 |
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Bibliography: | 925921 ZZ00014779 |
ISSN: | 0385-6410 1884-0035 |
DOI: | 10.4241/kyubyochu.64.26 |