異なる光環境に生育するコバノミツバツツジの開花のメカニズム

美しい花を咲かせる木本植物の観賞を目的とした二次林管理として, 光環境の調整による花芽率のコントロールが提唱されている。しかし, 花芽率の予測には, 植物の生態学的特性を考慮した評価が必要である。そこで, 関西地方の二次林に多く自生するコバノミツバツツジの開花のメカニズムを解明することを目的に, 連続的に日射量を測定し, 花芽率・当年枝の構成・枝の動態を調べた。その結果, 5月~8月の日射量が41.0MJ・m-2・month-1以下の生育場所では花芽分化は確認されず, 明るいほど当年枝にしめる繁殖枝の割合が高くなること, 繁殖枝の腋芽から伸長する栄養枝の数は光環境の影響を受けにくいことなどが明...

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Published inRandosukēpu kenkyū Vol. 60; no. 5; pp. 485 - 488
Main Authors 森本, 淳子, 丸山, 宏, 柴田, 昌三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本造園学会 28.03.1997
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Summary:美しい花を咲かせる木本植物の観賞を目的とした二次林管理として, 光環境の調整による花芽率のコントロールが提唱されている。しかし, 花芽率の予測には, 植物の生態学的特性を考慮した評価が必要である。そこで, 関西地方の二次林に多く自生するコバノミツバツツジの開花のメカニズムを解明することを目的に, 連続的に日射量を測定し, 花芽率・当年枝の構成・枝の動態を調べた。その結果, 5月~8月の日射量が41.0MJ・m-2・month-1以下の生育場所では花芽分化は確認されず, 明るいほど当年枝にしめる繁殖枝の割合が高くなること, 繁殖枝の腋芽から伸長する栄養枝の数は光環境の影響を受けにくいことなどが明らかになった。
Bibliography:561052
ZZ00011687
ISSN:1340-8984
1348-4559
DOI:10.5632/jila.60.485