各種殺虫剤への展着剤加用がニホンナシのニセナシサビダニに対する防除効果及び退緑斑点症状に及ぼす影響

• Published in: Kyūshū Byōgaichu Kenkyūkaiho Vol. 69; pp. 19 - 27
• Main Authors: 池田, 亜紀, 衞藤, 友紀
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 九州病害虫研究会 28.11.2023
• Subjects: adjuvant，chlorfenapyr，pyridaben， silicone based spreader
• ISSN: 0385-6410; 1884-0035
• DOI: 10.4241/kyubyochu.69.19

ニセナシサビダニによる退緑斑点症状の発生はナシ葉退緑斑点随伴ウイルスが関与しているとされ，極低密度でも被害を生じさせることから被害抑制が困難である。ビワキジラミ、ハモグリバエ類、ハダニ類、アザミウマ類などの防除試験において，既存薬剤への展着剤加用による効果の向上が見られた事例が報告されている。そこで，「二十世紀」において，マシン油乳剤（3月）,ピリダベン水和剤（4月）及びクロルフェナピル水和剤（6月）のニセナシサビダニ防除体系で生育期処理剤両剤への展着剤加用による，防除効果及び退緑斑点症状の発生に及ぼす影響を検討した。その結果，シリコーン系展着剤区では展着剤無加用区に比べニセナシサビダニの寄生密度が有意に減少し，さらに退緑斑点症状も有意に減少した。一方，機能性展着剤区では展着剤無加用区に比べ防除効果の向上は見られず，退緑斑点症状は有意に増大した。