諫早湾中央干拓地における地表徘徊性節足動物相の年次変動とオサムシ科のミトコンドリアCOI遺伝子による種同定の可能性

諫早湾中央干拓地の試験圃場内にヒメイワダレソウをベルト状(幅2m×長さ90m)に植栽し,その株元に設置したピットフォールトラップにより地表徘徊性節足動物の発生種ならびに発生消長を明らかにした。また,捕獲したオサムシ科の個体を用いてDNA バーコーディングによる種同定の可能性について検討した。オサムシ科は24種が確認され,その内キンナガゴミムシなど捕獲数が多かった7種で91.7%を占めた。発生種数や発生量の大きな年次変動は見られなかったが,ホソヒョウタンゴミムシなど5種で発生量の増減が確認された。また,ハサミムシ目の発生量は増加し,コモリグモ類は減少した。一方,オサムシ科のDNA バーコード解析...

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Published inKyūshū Byōgaichu Kenkyūkaiho Vol. 69; pp. 8 - 18
Main Authors 木場, 直美, 吉村, 友加里, 陣野, 泰明, 寺本, 健, 高田, 裕司, 植松, 綾子, 永石, 久美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州病害虫研究会 28.11.2023
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ISSN0385-6410
1884-0035
DOI10.4241/kyubyochu.69.8

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Summary:諫早湾中央干拓地の試験圃場内にヒメイワダレソウをベルト状(幅2m×長さ90m)に植栽し,その株元に設置したピットフォールトラップにより地表徘徊性節足動物の発生種ならびに発生消長を明らかにした。また,捕獲したオサムシ科の個体を用いてDNA バーコーディングによる種同定の可能性について検討した。オサムシ科は24種が確認され,その内キンナガゴミムシなど捕獲数が多かった7種で91.7%を占めた。発生種数や発生量の大きな年次変動は見られなかったが,ホソヒョウタンゴミムシなど5種で発生量の増減が確認された。また,ハサミムシ目の発生量は増加し,コモリグモ類は減少した。一方,オサムシ科のDNA バーコード解析ではオサムシ科の亜科毎にグループ化される傾向にあり,DNA バーコードによる種同定の可能性が示唆された。
Bibliography:ZZ00014779
950390
ISSN:0385-6410
1884-0035
DOI:10.4241/kyubyochu.69.8