3Dフードプリンターで造形される巨視的な3次元構造による介護食品などに適した軟質食品の食感設計とその効果

本研究では,介護食品などに適した軟質食品について,3Dフードプリンターで造形した巨視的な3次元構造が食感に与える影響を検討した.まず,硬さの異なる2種の軟質食品を用いて3D造形を行い,造形特性を評価した.その結果,2種の軟質食品は均一化することなく造形前の物性が造形物の中でも保持されること,造形の方向が造形物の力学特性に影響することがわかった.次に,繊維構造と層構造を造形し,これらの構造に特異的な食感を発現させることができるか検証した.その結果,3Dフードプリンターでの造形により,軟らかい食品であっても,繊維構造や層構造の力学特性を再現できることが示された.さらに,これらの構造により,人が有意...

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Published inJapan Journal of Food Engineering Vol. 22; no. 4; pp. 119 - 134
Main Authors 古川, 英光, 赤地, 利幸, 川上, 勝, 堀内, 真美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本食品工学会 15.12.2021
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ISSN1345-7942
1884-5924
DOI10.11301/jsfe.21599

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Summary:本研究では,介護食品などに適した軟質食品について,3Dフードプリンターで造形した巨視的な3次元構造が食感に与える影響を検討した.まず,硬さの異なる2種の軟質食品を用いて3D造形を行い,造形特性を評価した.その結果,2種の軟質食品は均一化することなく造形前の物性が造形物の中でも保持されること,造形の方向が造形物の力学特性に影響することがわかった.次に,繊維構造と層構造を造形し,これらの構造に特異的な食感を発現させることができるか検証した.その結果,3Dフードプリンターでの造形により,軟らかい食品であっても,繊維構造や層構造の力学特性を再現できることが示された.さらに,これらの構造により,人が有意に識別できるレベルで繊維状や層状の食感を発現させられることがわかった.以上のことから,3Dフードプリンターで造形される巨視的な3次元構造により,軟質食品の食感を制御することができる可能性が示唆された.
Bibliography:ZZ20014033
940687
ISSN:1345-7942
1884-5924
DOI:10.11301/jsfe.21599