トマトの新病害, アルターナリア茎枯病の発生

1977年,三重県鈴鹿市において温室栽培中のファースト・トマトに Alternaria alternata による茎枯れ症状を呈する新病害が発生した. 病患部より分離した A. alternata はファースト系トマト品種のみに病原性を発揮し, 新しい菌系 (pathotype) であることが判明した. 本病は1975年アメリカ合衆国において Earlypak 7 トマト品種上に特異的に発生が報じられた stem canker と同一であり, その日本名をアルターナリア茎枯病と命名した. なお, 本病原菌は宿主特異的毒素 (AL-毒素と命名) を生成するが, 各種植物に対する毒素反応性は病原菌...

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Published inKansai Byōchūgai Kenkyūkaihō Vol. 26; no. 26; pp. 29 - 32
Main Authors 田上, 征夫, 富川, 章, 山本, 敏夫, 片桐, 直衛, 甲元, 啓介, 西村, 正暘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 関西病虫害研究会 01.05.1984
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Summary:1977年,三重県鈴鹿市において温室栽培中のファースト・トマトに Alternaria alternata による茎枯れ症状を呈する新病害が発生した. 病患部より分離した A. alternata はファースト系トマト品種のみに病原性を発揮し, 新しい菌系 (pathotype) であることが判明した. 本病は1975年アメリカ合衆国において Earlypak 7 トマト品種上に特異的に発生が報じられた stem canker と同一であり, その日本名をアルターナリア茎枯病と命名した. なお, 本病原菌は宿主特異的毒素 (AL-毒素と命名) を生成するが, 各種植物に対する毒素反応性は病原菌の宿主範囲と完全に一致した. 本病は1983年の調査でも依然としてファースト系トマトに多大の被害を与えていた.
Bibliography:ZZ00014994
301070
ISSN:0387-1002
1883-6291
DOI:10.4165/kapps1958.26.0_29