配合飼料の粒径がヒラメ稚魚の摂餌量と成長に及ぼす影響

ヒラメ稚魚の摂餌可能な配合飼料の粒径を明らかにするとともに, 粒径の違いが成長に及ぼす影響を調べた。飼料を粒径最頻値375, 438, 500, 700, 800, 925μmの6段階に篩い分けて実験に用いた。これらの粒径は稚魚の口径よりも小さいため, 全て摂餌可能であったが, 標準体長10mm未満では飼料を摂餌している個体の割合が少なかった。体長10~15mmでは最頻値が438μm以上の粒径であれば摂餌している個体が多く, 15mm以上の稚魚では飼料の粒径が大きくなるにつれ, 摂餌していない個体の割合が減少する傾向にあった。摂餌量は, 体長15~25mmの個体では, 最頻値が500μm以下よ...

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Published inSuisan Zoshoku Vol. 55; no. 1; pp. 41 - 46
Main Authors 成田, 篤史, 郷司, 正彦, 田中, 洋一, 小嶋, 智一, 秋山, 信彦, 今井, 正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本水産増殖学会 01.03.2007
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ISSN0371-4217
2185-0194
DOI10.11233/aquaculturesci1953.55.41

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Summary:ヒラメ稚魚の摂餌可能な配合飼料の粒径を明らかにするとともに, 粒径の違いが成長に及ぼす影響を調べた。飼料を粒径最頻値375, 438, 500, 700, 800, 925μmの6段階に篩い分けて実験に用いた。これらの粒径は稚魚の口径よりも小さいため, 全て摂餌可能であったが, 標準体長10mm未満では飼料を摂餌している個体の割合が少なかった。体長10~15mmでは最頻値が438μm以上の粒径であれば摂餌している個体が多く, 15mm以上の稚魚では飼料の粒径が大きくなるにつれ, 摂餌していない個体の割合が減少する傾向にあった。摂餌量は, 体長15~25mmの個体では, 最頻値が500μm以下よりも700μm以上の飼料で多く, 体長25~30mmになると飼料の粒径が大きいほど多かった。また, 粒径最頻値が500μmと925μmの2種類の飼料をそれぞれ同重量給餌して稚魚を飼育すると, 粒径の小さな飼料を与えた場合よりも大きな飼料を与えた場合に成長が良かった。これらのことから, ヒラメ稚魚が摂餌可能な範囲であれば, 粒径の大きな飼料の方が摂餌量は増大し, 効率良く成長することが明らかとなった。
Bibliography:ZZ00008678
740227
ISSN:0371-4217
2185-0194
DOI:10.11233/aquaculturesci1953.55.41