強酸性電解水処理による生育期間中のカイワレダイコンの微生物制御に関する研究

生育期間中のカイワレダイコンの一般生菌数は根≧子葉>胚軸で、各器官それぞれ一定の値で推移し、増加傾向はみられなかった。強酸性電解水による葉面散布処理では、処理頻度が多くなるにつれて殺菌効果が高まり、カイワレダイコンの胚軸ならびに子葉の一般生菌数が対照区よりも最大で1 logCFU/g減少した。強酸性電解水を栽培時の培養液に使用した場合ならびに20℃強酸性電解水での種子消毒処理ではカイワレダイコンの根が伸長せずに腐敗し、カビが発生した。2℃強酸性電解水による種子消毒処理では、腐敗などの現象はみられなかったが、種子消毒の処理時間が長くなるにつれて正常に生育する個体数が減少した。一方、2℃強酸性電解...

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Published inFood preservation science Vol. 35; no. 3; pp. 115 - 120
Main Authors 草刈, 真一, 阿知波, 信夫, 塩崎, 修志, 島, 昭二, 金谷, 和俊, 片寄, 政彦, 岡井, 康二, 阿部, 一博, 吉田, 恭一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本食品保蔵科学会 2009
Subjects
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ISSN1344-1213
2186-1277
DOI10.5891/jafps.35.115

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Summary:生育期間中のカイワレダイコンの一般生菌数は根≧子葉>胚軸で、各器官それぞれ一定の値で推移し、増加傾向はみられなかった。強酸性電解水による葉面散布処理では、処理頻度が多くなるにつれて殺菌効果が高まり、カイワレダイコンの胚軸ならびに子葉の一般生菌数が対照区よりも最大で1 logCFU/g減少した。強酸性電解水を栽培時の培養液に使用した場合ならびに20℃強酸性電解水での種子消毒処理ではカイワレダイコンの根が伸長せずに腐敗し、カビが発生した。2℃強酸性電解水による種子消毒処理では、腐敗などの現象はみられなかったが、種子消毒の処理時間が長くなるにつれて正常に生育する個体数が減少した。一方、2℃強酸性電解水による1時間以内の短時間の種子消毒処理では無処理の場合と比べて正常に生育する個体数が多かった。さらに、2℃強酸性電解水による短時間の種子消毒処理では、カイワレダイコンの種子の一般生菌数を減らし、その後生育させたカイワレダイコンの子葉の一般生菌数を対照区よりも1 logCFU/g前後減少させたが、低温の強酸性電解水による種子消毒処理では殺菌効果がさらに高まった。また、強酸性電解水処理を行ったカイワレダイコンの外観は対照区と比べて特に変化はなかった。一方、強酸性電解水による種子消毒処理ならびに葉面散布処理の相乗効果はみられなかった。
Bibliography:781141
ZZ00016464
ISSN:1344-1213
2186-1277
DOI:10.5891/jafps.35.115