ラバンジン葉カルスへのコルヒチン処理による倍加個体の作出とその特性

ラバンジン葉由来カルスに種々の濃度のコルヒチンを処理し,倍加個体作出を試みた.0.05,0.1および0.5%のコルヒチンを処理したとき,カルスからのシュート形成率は71.8~79.3%で,濃度による差異は認められなかったが,得られたシュートの殆どは水浸状化しており,その後の発根率は著しく低かった.結果として,0.05%区で2個体,0.1%区で16個体および0.5%区で7個体の倍加個体が得られ,カルスからの倍加個体獲得率は0.6,4.3および2.0%となり,0.1%区で比較的効率的に倍加個体を獲得できた.倍加個体は‘スーパーセビリアンブルー’と比較して,気孔および花粉が大型化しており,個体間で葉...

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Published inEngeigaku kenkyuu Vol. 10; no. 3; pp. 303 - 308
Main Authors 津呂正人, 伊藤好恵, 森末智美, 中尾義則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 園芸学会 2011
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Summary:ラバンジン葉由来カルスに種々の濃度のコルヒチンを処理し,倍加個体作出を試みた.0.05,0.1および0.5%のコルヒチンを処理したとき,カルスからのシュート形成率は71.8~79.3%で,濃度による差異は認められなかったが,得られたシュートの殆どは水浸状化しており,その後の発根率は著しく低かった.結果として,0.05%区で2個体,0.1%区で16個体および0.5%区で7個体の倍加個体が得られ,カルスからの倍加個体獲得率は0.6,4.3および2.0%となり,0.1%区で比較的効率的に倍加個体を獲得できた.倍加個体は‘スーパーセビリアンブルー’と比較して,気孔および花粉が大型化しており,個体間で葉長に大きな違いが認められた.一方,花茎および花穂が矮化しており,小花で生産される精油生産量も低下していた.倍加個体が真正ラベンダーと交雑可能であれば,優れた栽培特性と香調を示す個体の作出に有効な戻し交雑の素材になると期待される.
Bibliography:813326
ZZ20004168
ISSN:1347-2658
1880-3571
DOI:10.2503/hrj.10.303