たらこ原料卵巣の成熟度が製品の味に及ぼす影響

たらこは流通量、市場価格ともに高い魚卵製品であるが、品質に差が生じることが問題となっている。一説によると、成熟度の違いがその原因であるといわれているが、明らかにはされていない。本研究ではその真偽を確かめることを目的とした。一般成分組成は、原料卵巣とそれらの製品の成熟段階による違いの有無と呈味の関係を調べるため行ったが、明らかな相関はみられなかった。成熟段階による呈味の差の有無・その感知の是非を調べるため官能検査および味覚センサーによる分析を行った。その結果、「ガム子」において、より苦味、刺激味を感じられ、味覚センサーでも同様な傾向がみられた。「ガム子」および「真子」の各加工卵巣を遊離アミノ酸組...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inFood preservation science Vol. 35; no. 5; pp. 229 - 233
Main Authors 渡辺, 学, 白井, 隆明, 鈴木, 徹, 内海, 優
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本食品保蔵科学会 2009
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1344-1213
2186-1277
DOI10.5891/jafps.35.229

Cover

More Information
Summary:たらこは流通量、市場価格ともに高い魚卵製品であるが、品質に差が生じることが問題となっている。一説によると、成熟度の違いがその原因であるといわれているが、明らかにはされていない。本研究ではその真偽を確かめることを目的とした。一般成分組成は、原料卵巣とそれらの製品の成熟段階による違いの有無と呈味の関係を調べるため行ったが、明らかな相関はみられなかった。成熟段階による呈味の差の有無・その感知の是非を調べるため官能検査および味覚センサーによる分析を行った。その結果、「ガム子」において、より苦味、刺激味を感じられ、味覚センサーでも同様な傾向がみられた。「ガム子」および「真子」の各加工卵巣を遊離アミノ酸組成分析に供した結果、苦味を呈するアミノ酸の含有比が「真子」よりも「ガム子」で高いことがわかった。苦味に関与するHPO量を測定した結果、「ガム子」と「真子」で差はみられなかった。TMA/TMAOによる各試料に対する風味への関連性もみられなかった。
Bibliography:781146
ZZ00016464
ISSN:1344-1213
2186-1277
DOI:10.5891/jafps.35.229