数種の搾汁方式と保蔵温度がシークワシャー果汁の品質安定性に及ぼす影響 ―ポリメトキシフラボン類およびシネフリンの安定性

シークワシャー果汁の保蔵におけるPMF(ノビレチン、タンゲレチン、シネンセチン)、シネフリンなどの機能性成分の安定性を検討するために、シークワシャー果汁中の一般成分および機能性成分の安定性を4か月に亘って調査した。果汁試料は、3種の搾汁方法で調整し、5℃区、20℃区、35℃区の3温度区で保管した。(1)可溶性固形物および酸を除く、PMFやシネフリンなどの調査した成分において、スクリュープレス搾汁機の果汁で成分含量および搾汁率が最も多かった。(2)保蔵温度は、搾汁機の効果と比較して4か月保蔵中におけるPMFとシネフリンの安定性に顕著な影響を与えた。4か月保蔵後の各搾汁機で得られた果汁中の35℃区...

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Published inFood preservation science Vol. 35; no. 1; pp. 3 - 9
Main Authors 和田, 浩二, 宮城, 一菜, 藤瀬, 朋子, 古賀, 信幸, 矢野, 昌充, 太田, 英明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本食品保蔵科学会 2009
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ISSN1344-1213
2186-1277
DOI10.5891/jafps.35.3

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Summary:シークワシャー果汁の保蔵におけるPMF(ノビレチン、タンゲレチン、シネンセチン)、シネフリンなどの機能性成分の安定性を検討するために、シークワシャー果汁中の一般成分および機能性成分の安定性を4か月に亘って調査した。果汁試料は、3種の搾汁方法で調整し、5℃区、20℃区、35℃区の3温度区で保管した。(1)可溶性固形物および酸を除く、PMFやシネフリンなどの調査した成分において、スクリュープレス搾汁機の果汁で成分含量および搾汁率が最も多かった。(2)保蔵温度は、搾汁機の効果と比較して4か月保蔵中におけるPMFとシネフリンの安定性に顕著な影響を与えた。4か月保蔵後の各搾汁機で得られた果汁中の35℃区におけるPMFの残存率は、ノビレチン95.1〜97.3%、タンゲレチン94.6〜97.8%、シネンセチン70.2〜96.2%であった。PMFの変化は5℃区と20℃区では、ほとんどみられず安定していた。また、シネフリンの残存率は4か月保蔵後の35℃区では73.9〜87.4%であった。(3)官能評価では、最も大きな変化がみられた項目は外観であった。総合評価から、遠心分離搾汁機によって搾汁された瓶詰め果汁の賞味期間は、35℃区で約1か月程度、20℃区で3か月程度、5℃区で4か月程度になると見積もられた。
Bibliography:ZZ00016464
771709
ISSN:1344-1213
2186-1277
DOI:10.5891/jafps.35.3