疣贅性病変が肺動脈弁に認められた細菌性心内膜炎の犬の1例

7歳,雌のフレンチ・ブルドッグが子宮蓄膿症手術の7日後に呼吸困難と失神を主訴に来院した.来院時には,X線検査において心拡大,心エコー図検査において肺動脈弁に付着する高エコー源性の腫瘤状異常構造物(15.0×5.8mm)による肺動脈狭窄,狭窄部後部拡張及び三尖弁逆流を認めた.内科療法によって臨床徴候は改善したが,第9病日に呼吸困難,意識消失のために再来院した.肺動脈弁の腫瘤は拡大(18.5×13.0mm)して肺動脈弁部の重度狭窄を呈していた.その後内科的治療に反応せず,第12病日に心停止した.肺動脈弁病変の組織診断は,線維性結合組織の増生を伴った疣贅性細菌性心内膜炎であり,本症例は肺動脈弁に疣贅...

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 70; no. 6; pp. 375 - 379
Main Authors 酒井, 洋樹, 菅沼, 彰太, 岩佐, 達男, 西飯, 直仁, 岩佐, 和子, 高島, 諭, 北川, 均, 岩佐, 直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 01.06.2017
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ISSN0446-6454
2186-0211
DOI10.12935/jvma.70.375

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Summary:7歳,雌のフレンチ・ブルドッグが子宮蓄膿症手術の7日後に呼吸困難と失神を主訴に来院した.来院時には,X線検査において心拡大,心エコー図検査において肺動脈弁に付着する高エコー源性の腫瘤状異常構造物(15.0×5.8mm)による肺動脈狭窄,狭窄部後部拡張及び三尖弁逆流を認めた.内科療法によって臨床徴候は改善したが,第9病日に呼吸困難,意識消失のために再来院した.肺動脈弁の腫瘤は拡大(18.5×13.0mm)して肺動脈弁部の重度狭窄を呈していた.その後内科的治療に反応せず,第12病日に心停止した.肺動脈弁病変の組織診断は,線維性結合組織の増生を伴った疣贅性細菌性心内膜炎であり,本症例は肺動脈弁に疣贅を形成する感染性心内膜炎の稀有な例と診断された.
Bibliography:912774
ZZ00014801
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.70.375