分球性ユリ ‘きたきらり’ の球根養成期間における時期別温度遭遇が球根の品質に及ぼす影響

アジアティックハイブリッドユリ ‘きたきらり’ は分球性を有し,その切り花生産用球根は2または3年間露地圃場で養成される.分球性ユリは球根内の茎軸に複数の新球が生じ,それらが肥大することで分球する.本研究では,球根養成期間中の温度が ‘きたきらり’ の分球に及ぼす影響について調査した.試験には二年生球根に着生する木子を供試した.試験1として,球根仕上げ栽培における球根冷凍貯蔵前の温度条件が球根の品質に及ぼす影響を調査したところ,冷凍貯蔵前に8°Cに12週間遭遇すると,球根内に新球を5個以上もつ切り花生産に利用できない規格外球根が発生した.一方,速やかに–2°Cで冷凍貯蔵した球根では規格外球根は...

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Published inEngeigaku kenkyuu Vol. 19; no. 3; pp. 247 - 252
Main Authors 森, 志郎, 歸山, 敏亮, 安藤, 大輔, 大宮, 知
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 園芸学会 2020
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ISSN1347-2658
1880-3571
DOI10.2503/hrj.19.247

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Summary:アジアティックハイブリッドユリ ‘きたきらり’ は分球性を有し,その切り花生産用球根は2または3年間露地圃場で養成される.分球性ユリは球根内の茎軸に複数の新球が生じ,それらが肥大することで分球する.本研究では,球根養成期間中の温度が ‘きたきらり’ の分球に及ぼす影響について調査した.試験には二年生球根に着生する木子を供試した.試験1として,球根仕上げ栽培における球根冷凍貯蔵前の温度条件が球根の品質に及ぼす影響を調査したところ,冷凍貯蔵前に8°Cに12週間遭遇すると,球根内に新球を5個以上もつ切り花生産に利用できない規格外球根が発生した.一方,速やかに–2°Cで冷凍貯蔵した球根では規格外球根はみられなかった.試験2として,冷凍球根解凍後の温度条件の影響を調査したところ,球根内の新球数に影響はみられなかったが,球重と球根幅には有意差が認められ,高温区(15°C加温栽培)の球重は低温区(露地栽培)と比較して重く,球根幅は大きかった.
Bibliography:ZZ20004168
935011
ISSN:1347-2658
1880-3571
DOI:10.2503/hrj.19.247