キクの品種特性が炭素イオンビーム照射による花色突然変異体の出現に及ぼす影響

輪ギク17品種,小ギク19品種,スプレーギク1品種を用いてイオンビーム照射を行い,花色突然変異を誘発した結果,突然変異率に品種間差が認められた.得られる花色突然変異の変異スペクトルは利用する元品種の花色によって異なり,赤紫と桃品種で白,黄および茶など様々な花色が得られ,逆に黄や茶系,白品種では特定の花色に限定された.また,赤紫や桃品種でも花色変異により得られる花色やその種類数は品種によって異なっており,ここにも品種間差が認められた.このことはイオンビーム照射により花色変異を獲得するには元品種の選定が重要であり,期待する花色を得るには元品種の花色も考慮する必要があることを示している.本研究におけ...

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Published inEngeigaku kenkyuu Vol. 16; no. 2; pp. 117 - 123
Main Authors 玉木, 克知, 山中, 正仁, 林, 依子, 阿部, 知子, 小山, 佳彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 園芸学会 2017
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Summary:輪ギク17品種,小ギク19品種,スプレーギク1品種を用いてイオンビーム照射を行い,花色突然変異を誘発した結果,突然変異率に品種間差が認められた.得られる花色突然変異の変異スペクトルは利用する元品種の花色によって異なり,赤紫と桃品種で白,黄および茶など様々な花色が得られ,逆に黄や茶系,白品種では特定の花色に限定された.また,赤紫や桃品種でも花色変異により得られる花色やその種類数は品種によって異なっており,ここにも品種間差が認められた.このことはイオンビーム照射により花色変異を獲得するには元品種の選定が重要であり,期待する花色を得るには元品種の花色も考慮する必要があることを示している.本研究における結果はイオンビーム照射時の元品種の選定に有用であり,キクのイオンビーム照射による花色突然変異育種をより効率的に行うことを可能にするものである.
Bibliography:ZZ20004168
911374
ISSN:1347-2658
1880-3571
DOI:10.2503/hrj.16.117