気液二相流によるステンレス鋼配管の洗浄特性と洗浄水削減効果

配管系CIPのファイナルリンス工程における洗浄水削減を目指して,空気と水から成る環状流の適用を試みた.すなわち,ステンレス鋼製の1S配管を水平と垂直に配置した場合について,水飴をモデル汚れとして,空気と水の二相流による洗浄を各種流速条件にて行い,残留汚れの経時変化を検討した.空気の流速が小さい場合には,完全な環状流は形成されず,管壁上部が洗浄困難となり,極めて低い洗浄効率となった.空気の流速を600 L/min以上に設定すると環状流が形成され,水のみの通常洗浄に比べて,洗浄効率を大きく低下させることなく,使用水量を10%程度にまで低減可能であることが示された.直管以外のT字管やエルボ,ダイアフ...

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Published inJapan Journal of Food Engineering Vol. 11; no. 3; pp. 125 - 132
Main Authors 新谷, 進, 大森, 智史, 渡辺, 学, 﨑山, 高明, 松長, 正見, 渡辺, 尚彦, 今道, 純利, 萩原, 知明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本食品工学会 01.09.2010
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ISSN1345-7942
1884-5924
DOI10.11301/jsfe.11.125

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Summary:配管系CIPのファイナルリンス工程における洗浄水削減を目指して,空気と水から成る環状流の適用を試みた.すなわち,ステンレス鋼製の1S配管を水平と垂直に配置した場合について,水飴をモデル汚れとして,空気と水の二相流による洗浄を各種流速条件にて行い,残留汚れの経時変化を検討した.空気の流速が小さい場合には,完全な環状流は形成されず,管壁上部が洗浄困難となり,極めて低い洗浄効率となった.空気の流速を600 L/min以上に設定すると環状流が形成され,水のみの通常洗浄に比べて,洗浄効率を大きく低下させることなく,使用水量を10%程度にまで低減可能であることが示された.直管以外のT字管やエルボ,ダイアフラムバルブを含む配管系についても洗浄効果を検討した.この場合には,二相流洗浄の洗浄時間は通常の水洗浄の2倍程度必要であったものの,使用水量は20%程度にまで低減可能であることが示された.
Bibliography:873666
ZZ20014033
ISSN:1345-7942
1884-5924
DOI:10.11301/jsfe.11.125