鹿児島県内の飼養牛及び先天異常子牛におけるシャモンダウイルス感染状況の遡及調査

シャモンダウイルス(SHAV)は,2015年12月から2016年4月にかけて,鹿児島県内で発生した15例の牛異常産の原因になったと考えられている.未越夏牛の抗体調査による近年のSHAVの県内への侵入状況及び過去の異常産との関連について遡及調査を実施したところ,1999〜2016年の間に少なくとも6回(2001〜2003年,2006年,2013年及び2015年)の抗体陽転と,SHAVの関与による3例の牛異常産(2002〜2003年)を確認した.2歳以上の繁殖牛のSHAVに対する抗体保有率は,調査を開始した2003年は66.7%と高かったが,その後徐々に低下し,2014年はきわめて低い状況(8.5...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 70; no. 11; pp. 729 - 734
Main Authors 平島, 宜昌, 坂口, 善二郎, 岡田, 大輔, 藤岡, 舞, 北原, 尚英, 岩本, 滋郎, 梁瀬, 徹, 藤園, 昭一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 20.11.2017
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:シャモンダウイルス(SHAV)は,2015年12月から2016年4月にかけて,鹿児島県内で発生した15例の牛異常産の原因になったと考えられている.未越夏牛の抗体調査による近年のSHAVの県内への侵入状況及び過去の異常産との関連について遡及調査を実施したところ,1999〜2016年の間に少なくとも6回(2001〜2003年,2006年,2013年及び2015年)の抗体陽転と,SHAVの関与による3例の牛異常産(2002〜2003年)を確認した.2歳以上の繁殖牛のSHAVに対する抗体保有率は,調査を開始した2003年は66.7%と高かったが,その後徐々に低下し,2014年はきわめて低い状況(8.5%)にあり,2015〜2016年のSHAVが関与した異常産の発生の主たる要因の一つであったと考えられた.
Bibliography:920541
ZZ00014801
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.70.729