ウルトラファインバブル水の灌水がサザンハイブッシュブルーベリーの幼木における乾物分配および窒素吸収に及ぼす影響

• Published in: Engeigaku kenkyuu Vol. 21; no. 1; pp. 11 - 16
• Main Authors: Yi-Chun, Lai, 尾形, 凡生, 浜田, 和俊
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 園芸学会 2022
• Subjects: 新梢伸長; 生理活性; 窒素分配率; 細根
• ISSN: 1347-2658; 1880-3571
• DOI: 10.2503/hrj.21.11

ウルトラファインバブル（UFB）水の灌水が，ポット植えの2年生サザンハイブッシュブルーベリー ‘オニール’ の乾物分配と窒素吸収効率に及ぼす影響を明らかにするため，生育調査，解体調査および15Nトレーサー法を実施した．UFB水灌水区と水道水灌水区を設けて，毎日手灌水を行った．15N標識硫酸アンモニウムは，2018年の成長期間中にそれぞれ4月19日，5月25日，7月24日に施用し，2週間後に解体調査を行った．1回目の解体では，各器官の乾物重に処理間で差がなかったにも関わらず，細根の15N寄与率はUFB処理で有意に高かった．2回目と3回目の解体では，UFB処理により地下部だけでなく地上部の乾物重も有意に増加した．3回目の解体では，UFB水による乾物重の増加と15N寄与率の増加に一貫した結果が示され，特に地下部と夏枝では乾物重と15N含量が著しく増加した．最終的にUFB水により1樹当たりの総新梢長は約200 cm伸長促進した．これらの結果は，UFB処理により窒素吸収が促進され，地上部の新生器官の生育に利用されたことを示唆している．本研究は，UFB水の灌水がブルーベリーの根の生理活性を向上させ，窒素吸収を向上できることを初めて明らかにした．