部分不活化花粉による二倍性種なしスイカ生産のための蕾受粉

スイカの部分不活化花粉を用いた開花前日の午前中の受粉においては結実率が低かったが,午後からの結実率は急激に上昇し,開花当日の受粉と同程度となった.開花前日の午後に部分不活化花粉を受粉して作出した種果実は,いずれの受粉時刻でも開花当日に受粉した種果実と同程度の果重であり,果形,果皮の厚さ,果肉色,Brix,果肉硬度およびしいなの程度とも対照区とほぼ同程度の品質の種の果実が得られた.これらの結果は,約1年間保存した部分不活化花粉を用いた場合も同じあった.現行の種スイカの生産方式(部分不活化花粉の作出,開花前日の袋掛け,開花当日の受粉,受粉後の袋掛け)における開花前日の袋掛け作業は,開花前日の蕾受粉...

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Published inEngeigaku kenkyuu Vol. 9; no. 3; pp. 319 - 324
Main Authors 杉山, 慶太, 阿久津, 雅子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 園芸学会 2010
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Summary:スイカの部分不活化花粉を用いた開花前日の午前中の受粉においては結実率が低かったが,午後からの結実率は急激に上昇し,開花当日の受粉と同程度となった.開花前日の午後に部分不活化花粉を受粉して作出した種果実は,いずれの受粉時刻でも開花当日に受粉した種果実と同程度の果重であり,果形,果皮の厚さ,果肉色,Brix,果肉硬度およびしいなの程度とも対照区とほぼ同程度の品質の種の果実が得られた.これらの結果は,約1年間保存した部分不活化花粉を用いた場合も同じあった.現行の種スイカの生産方式(部分不活化花粉の作出,開花前日の袋掛け,開花当日の受粉,受粉後の袋掛け)における開花前日の袋掛け作業は,開花前日の蕾受粉によって不要となった.また,保存した部分不活化花粉を専門業者などから入手して開花前日の受粉を行う新たな生産方式は,現行の種スイカの生産方式と比較して作業時間が約63.5%削減されることが示された.
Bibliography:ZZ20004168
792668
ISSN:1347-2658
1880-3571
DOI:10.2503/hrj.9.319