犬のBrucella canis 感染に関する全国的疫学調査

ブルセラ症は,ブルセラ属菌の感染により引き起こされる人と動物の共通感染症の一つである.家畜では繁殖障害が,人では発熱,筋肉痛,関節痛などが見られる.近年,犬のBrucella canisの集団感染事例が国内で多数報告されている.そこで,本研究では,国内の犬のB. canis感染状況を明らかにするために,ブルセラ・カニス凝集反応用菌液を用いた試験管凝集反応試験(tube agglutination test:TAT)による全国的な血清疫学調査を行った.TATによるスクリーニング検査では1,158検体中35検体(3.0%)が陽性を示し,さまざまな犬種及び都道府県において陽性検体が認められた.また,...

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 64; no. 7; pp. 559 - 561
Main Authors 橘, 理人, 小林, 菜苗, 猪熊, 壽, 鈴木, 宏志, 度会, 雅久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 20.07.2011
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Summary:ブルセラ症は,ブルセラ属菌の感染により引き起こされる人と動物の共通感染症の一つである.家畜では繁殖障害が,人では発熱,筋肉痛,関節痛などが見られる.近年,犬のBrucella canisの集団感染事例が国内で多数報告されている.そこで,本研究では,国内の犬のB. canis感染状況を明らかにするために,ブルセラ・カニス凝集反応用菌液を用いた試験管凝集反応試験(tube agglutination test:TAT)による全国的な血清疫学調査を行った.TATによるスクリーニング検査では1,158検体中35検体(3.0%)が陽性を示し,さまざまな犬種及び都道府県において陽性検体が認められた.また,雄犬及び雌犬の陽性率は,それぞれ3.8%,2.3%であった.これらの結果から,日本の犬には B. canis の感染が広く定着していることが示唆された.
Bibliography:ZZ00014801
813770
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.64.559