‘水ナス’の加温栽培における最低気温が収量および果実品質に及ぼす影響

近年普及し始めた‘水ナス’加温栽培における温度管理技術を確立するため, 最低気温が, 加温栽培‘水ナス’の収量および果実品質に及ぼす影響について検討した. 最低気温14℃では, 葉に低温障害が現れるとともに, 総収量および可販果収量が16℃および18℃と比較して著しく少なかった. 最低気温16℃と18℃との間に収量差は認められなかった. 最低気温16℃および18℃で栽培された‘水ナス’の果実品質を比較したところ, 果色には差がなく, 16℃で果形が細長くなった. しかし, その差はわずかであり, 外観上の品質には差が認められなかった. 18℃では16℃よりも, 中果皮が有意に柔らかくなるととも...

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Published inEngeigaku kenkyuu Vol. 4; no. 3; pp. 303 - 306
Main Authors 森川, 信也, 辻, 博美, 鈴木, 敏征
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 園芸学会 2005
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ISSN1347-2658
1880-3571
DOI10.2503/hrj.4.303

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Summary:近年普及し始めた‘水ナス’加温栽培における温度管理技術を確立するため, 最低気温が, 加温栽培‘水ナス’の収量および果実品質に及ぼす影響について検討した. 最低気温14℃では, 葉に低温障害が現れるとともに, 総収量および可販果収量が16℃および18℃と比較して著しく少なかった. 最低気温16℃と18℃との間に収量差は認められなかった. 最低気温16℃および18℃で栽培された‘水ナス’の果実品質を比較したところ, 果色には差がなく, 16℃で果形が細長くなった. しかし, その差はわずかであり, 外観上の品質には差が認められなかった. 18℃では16℃よりも, 中果皮が有意に柔らかくなるとともに, 漬物加工時のNaClの浸透性が向上した. しかし, 現在‘水ナス’の価格は外観上の品質によって決定されているため, 16℃と18℃との間には果実の価格差がなく, 現状では‘水ナス’加温栽培の最低気温は暖房コストの安い16℃が適すると考えられる.
Bibliography:ZZ20004168
720094
ISSN:1347-2658
1880-3571
DOI:10.2503/hrj.4.303