画像解析を用いたヤマトイモの形状評価手法の開発と4年間の形状発現事例 —栄養繁殖性作物における形状発現の経年追跡

1)2枚の鏡を用いたデジタル画像の解析により,ヤマトイモの立体的形状を簡易かつ定量的に分類・評価する手法を開発した. 2)4種の形状分類指標を導入し,従来からの生産者の視覚による形状分類との一致率をロジスティック回帰分析により検討した. 2-1)形状分類指標をそれぞれ単独で用いた場合には,平面重心度が4種の形状指標の中で棒形と扇形の平均一致率が80.6%と最も高い値を示した. 2-2)ステップワイズ法を用いて有効な形状分類指標を比較・検討した結果,長短度,平面重心度と扁平度が選択され,この3種を組み合わせて分析を行うと棒形と扇形の平均一致率は91.3%と最も高い値を示した. 3)その形状分類指...

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Published inEngeigaku kenkyuu Vol. 5; no. 3; pp. 325 - 329
Main Authors 赤石, 拓也, 中川, 孝之, 鈴木, 健司, 岩佐, 博邦, 陳, 文西, 小林, 登史夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 園芸学会 2006
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Summary:1)2枚の鏡を用いたデジタル画像の解析により,ヤマトイモの立体的形状を簡易かつ定量的に分類・評価する手法を開発した. 2)4種の形状分類指標を導入し,従来からの生産者の視覚による形状分類との一致率をロジスティック回帰分析により検討した. 2-1)形状分類指標をそれぞれ単独で用いた場合には,平面重心度が4種の形状指標の中で棒形と扇形の平均一致率が80.6%と最も高い値を示した. 2-2)ステップワイズ法を用いて有効な形状分類指標を比較・検討した結果,長短度,平面重心度と扁平度が選択され,この3種を組み合わせて分析を行うと棒形と扇形の平均一致率は91.3%と最も高い値を示した. 3)その形状分類指標を用いて,連続した4年間における形状発現状況を追跡した. 3-1)‘多古棒系’は年々棒形の発現率が減少し,形状が不安定であった.‘ふさおうぎ’は一定の割合で棒形が発現し,比較的形状が安定しており,それらの形状発現率は同じ栽培環境の下でも品種により異なることを確認した. 4)三次元形状が重要視される広い園芸作物を対象にして,簡便で省力的な形状記録収集手法と多様な形状評価指標を比較評価した原型(1事例)が確立された.
Bibliography:731096
ZZ20004168
ISSN:1347-2658
1880-3571
DOI:10.2503/hrj.5.325