アマランス投与ラットの薬物代謝酵素系に及ぼす乾燥夕顔果実 (かんぴょう) 粉末の影響

雄性ラットに2%アマランス添加飼料, 10%かんぴょう粉末混合飼料, アマランス (2%) とかんぴょう粉末 (10%) の両者を含む飼料のいずれかを30日間給餌して, それぞれの飼料が及ぼす肝臓と小腸粘膜の一連の薬物代謝酵素系への影響を調べた. その結果, アマランスは小腸粘膜UDP-グルクロニルトランスフェラーゼの活性を有意に低下させた. しかし, それもかんぴょう粉末との同時投与では認められなかった. かんぴょう粉末を投与したラットでは, 肝臓のグルタチオンS-トランスフェラーゼの活性のみが有意に上昇したが, その現象はアマランスの共存下でも認められた. 以上の結果から, かんぴょうは食...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 35; no. 6; pp. 610 - 614_1
Main Authors 飯樋, 洋二, 伊藤, 雅彦, 岩間, 昌彦, 岩崎, 昌江, 菅家, 祐輔, 見目, 明継
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 01.12.1994
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:雄性ラットに2%アマランス添加飼料, 10%かんぴょう粉末混合飼料, アマランス (2%) とかんぴょう粉末 (10%) の両者を含む飼料のいずれかを30日間給餌して, それぞれの飼料が及ぼす肝臓と小腸粘膜の一連の薬物代謝酵素系への影響を調べた. その結果, アマランスは小腸粘膜UDP-グルクロニルトランスフェラーゼの活性を有意に低下させた. しかし, それもかんぴょう粉末との同時投与では認められなかった. かんぴょう粉末を投与したラットでは, 肝臓のグルタチオンS-トランスフェラーゼの活性のみが有意に上昇したが, その現象はアマランスの共存下でも認められた. 以上の結果から, かんぴょうは食物繊維に共通な作用に加え, 弱いながらも薬物代謝酵素系を活性化して, アマランスの有害作用から生体を防御する役割を果たすと思われる.
Bibliography:520791
ZZ00009680
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.35.610