ニホンナシの自発休眠覚醒と温度の関係解明およびそのモデル化

外見的には明かでないニホンナシ混合芽の自発休眠覚醒を気温から推定, 予測可能なモデルの開発を行った。‘幸水’のポット栽植時に恒温処理し, その後加温した。開花状況から自発休眠覚醒までの時間を測定し, 以下の結果を得た。 1. 0, 3, 6℃では約750時間, 9℃では約1160時間で自発休眠から覚醒し, 12℃では覚醒しなかった。 2. 実験結果をもとに気温と発育速度の関係を数式化し, 気温の経過から自発休眠覚醒を予測するモデルを構築した。 3. 露地において自発休眠覚醒期を実験的に測定し, 上記モデルから推定した自発休眠覚醒期と比較した結果, モデルの正当性が確認された。 4. 低温要求量...

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Published inNōgyō kishō Vol. 53; no. 4; pp. 285 - 290
Main Authors 本條, 均, 杉浦, 俊彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農業気象学会 01.12.1997
Subjects
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ISSN0021-8588
1881-0136
DOI10.2480/agrmet.53.285

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Summary:外見的には明かでないニホンナシ混合芽の自発休眠覚醒を気温から推定, 予測可能なモデルの開発を行った。‘幸水’のポット栽植時に恒温処理し, その後加温した。開花状況から自発休眠覚醒までの時間を測定し, 以下の結果を得た。 1. 0, 3, 6℃では約750時間, 9℃では約1160時間で自発休眠から覚醒し, 12℃では覚醒しなかった。 2. 実験結果をもとに気温と発育速度の関係を数式化し, 気温の経過から自発休眠覚醒を予測するモデルを構築した。 3. 露地において自発休眠覚醒期を実験的に測定し, 上記モデルから推定した自発休眠覚醒期と比較した結果, モデルの正当性が確認された。 4. 低温要求量およびチルユニットも発育速度モデルの特殊な場合であることを数学的に示した。
Bibliography:ZZ00015066
562316
ISSN:0021-8588
1881-0136
DOI:10.2480/agrmet.53.285