ニカメイガの性フェロモン生成を支配する頭部のホルモン様物質

ニカメイガの雌の暗期における性フェロモン生成は,その前の明期における断頭により抑制された。雌の頭部抽出物を断頭個体に注射すると,性フェロモン生成が回復した。これらから,雌の頭部から分泌されるホルモン様物質が性フェロモン生産を支配していることが示された。さらに,性フェロモンの生成が継続されるためにもこの物質が存在する必要のあることがわかった。頭部からの神経的制御は性フェロモン生成には関与していないことが示された。断頭により性フェロモン放出行動も抑制されたが,その機構が性フェロモン生成の支配機構と共通であるかどうかは不明である。...

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Published inNihon Ōyō Dōbutsu Konchū Gakkai shi Vol. 29; no. 4; pp. 265 - 269
Main Authors 大口, 嘉子, 田付, 貞洋, 臼井, 健二, 新井, 好史, 栗原, 政明, 内海, 恭一, 深見, 順一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本応用動物昆虫学会 01.11.1985
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Summary:ニカメイガの雌の暗期における性フェロモン生成は,その前の明期における断頭により抑制された。雌の頭部抽出物を断頭個体に注射すると,性フェロモン生成が回復した。これらから,雌の頭部から分泌されるホルモン様物質が性フェロモン生産を支配していることが示された。さらに,性フェロモンの生成が継続されるためにもこの物質が存在する必要のあることがわかった。頭部からの神経的制御は性フェロモン生成には関与していないことが示された。断頭により性フェロモン放出行動も抑制されたが,その機構が性フェロモン生成の支配機構と共通であるかどうかは不明である。
Bibliography:331981
ZZ00014825
ISSN:0021-4914
1347-6068
DOI:10.1303/jjaez.29.265