諏訪湖,天竜川上流における漂着ゴミ

1985年5~10月諏訪湖全湖岸15kmと,1986年6~11月釜口水門から横川川合流点までの天竜川上流11.5kmの河岸において,漂着ゴミの量,種類を調べ,漂着ゴミの分布および岸形状との関係を考察した。 諏訪湖全湖岸では,漂着ゴミが1,643kg(風乾質量)あり,その43%(質量ベース)が可燃物,57%が不燃物であった。漂着ゴミは諏訪湖南東側湖岸に多く分布していた。卓越風による湖表面の吹送流および大きな流入河川による運搬が主要因と考えられる。波返し工護岸に比べ,波返しのない護岸,自然湖岸・浜に多くの漂着ゴミがあった。特に,自然湖岸・浜は漂着ゴミ密度(漂着ゴミ質量/岸の長さ)が高かった。 天竜...

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Published in環境科学会誌 Vol. 16; no. 3; pp. 167 - 178
Main Authors 井上, 芳樹, 戸田, 任重
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 環境科学会 2003
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ISSN0915-0048
1884-5029
DOI10.11353/sesj1988.16.167

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Summary:1985年5~10月諏訪湖全湖岸15kmと,1986年6~11月釜口水門から横川川合流点までの天竜川上流11.5kmの河岸において,漂着ゴミの量,種類を調べ,漂着ゴミの分布および岸形状との関係を考察した。 諏訪湖全湖岸では,漂着ゴミが1,643kg(風乾質量)あり,その43%(質量ベース)が可燃物,57%が不燃物であった。漂着ゴミは諏訪湖南東側湖岸に多く分布していた。卓越風による湖表面の吹送流および大きな流入河川による運搬が主要因と考えられる。波返し工護岸に比べ,波返しのない護岸,自然湖岸・浜に多くの漂着ゴミがあった。特に,自然湖岸・浜は漂着ゴミ密度(漂着ゴミ質量/岸の長さ)が高かった。 天竜川上流河岸では,漂着ゴミが1,398kgあり,その26%が可燃物,74%が不燃物であった。漂着ゴミは釜口水門から下流5~10kmに多く分布し,漂着ゴミ密度は蛇行度と相関があった。また,漂着ゴミは自然河岸,高水敷に多かった。河岸へのゴミの漂着には,水理状況および岸形状の影響が大きいようである。
ISSN:0915-0048
1884-5029
DOI:10.11353/sesj1988.16.167